私の好きな人。ー7ー

「透子さん、しっかり休んでくださいね」


「はーい!和樹は心配性だなぁ」


「彼氏だし」


か、彼氏・・・


「そ、そうだよね」


「なーに照れてるんですかっ」


「だ、だって実感なかなか湧かないというか」


「簡単に実感が湧く方法ならありますよ?」


「な、何?かず・・・」


えっ!?


いきなり和樹は私を壁に押し付け、唇を奪った。


「実感湧いた?」


「い、いきなり・・・」


「嫌?」


「い、嫌じゃないけど!」


「これからはもっとたくさんするから」


「も、もう!」


だめだ。心臓がずっとバクバク言ってる。


あ、あんなキスされたら落ち着かないよ!!


「透子さんは俺とキス、したくないの?」


「し、したいですけど」


な、何言ってるんだ、私は。


「じゃあ、明日は激しめで」


「は、激しめって何!?」


「今日はゆっくり休みましょうね?明日の朝、迎えに行きますから」


「も、もう行っちゃうの?お茶くらい」


私は和樹の腕を掴む。


「ねぇ、透子さん。俺が家に行く意味分かってる?」


「え?」


「透子さんを襲わないって自信ないよ?俺」


「お、襲うの!?」


「キスだけであんな可愛い顔されたら理性飛ぶから」


「ま、まだご勘弁を」


「本当は俺も透子さんともうちょっといたいけど、俺も男だから」


「そ、そうだよね」


「明日はもっと一緒の時間作りましょう」


「う、うん!」


「じゃあ、また明日。透子さん」


「また明日ね、和樹!」


私達は笑って手を振り合う。


また「また明日」と言える日が来るなんて。


夢じゃないよね?


すごくすごく幸せな気分だ。


さっきまで苦しかったのにね。



もう、すれ違いたくない。


ちゃんとお互いの気持ちを理解し合える関係になりたい。


もう離れたくない・・・。




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