気付いてしまった。ー4ー

「透子先輩ーっ!帰りましょうっ」


「う、うん!」


放課後も藤宮くんと一緒に帰った。


だけど


やっぱりいつもみたいなテンションで藤宮くんと話す事が出来ず、他愛もない話をして帰った。


(先輩、何かありましたか?)


家に着くと、藤宮くんからLINEが来ている事に気付いた。


(なーんにもないよっ(*'▽'*)どして?)


私は明るくLINEを返す。


だけど


(嘘つかないで。先輩はどうして俺に頼らないんですか?俺が年下だから?)


藤宮くん・・・


(友達とちょっとケンカしただけ!明日ちゃんと仲直りするよ。)


私は安心させる為に嘘をつく。


(なら、良かった。)


ごめんね、藤宮くん。


私は君を振り回してばかり。


最低だ。


もやもやした気持ちを抱えたまま翌日も学校へ。


立夏とは話せないでいるなぁ。


教室に着くと、愛未が来ていた。


今日は来たんだっ!


「愛未、おはよう!」


私は愛未に挨拶する。


だけど


「マリちゃーん」


愛未は同じクラスのマリちゃんの元へ。


聞こえなかったとか?


「ねぇ、愛未!」


「ごめん!愛未、透子ちゃんといたくない」


「えっ?」


愛未は涙目で私を睨む。


「友達やめるから」


え・・・


「愛未、私は・・・」


「透子ちゃんと前みたいに仲良くできる自信ない!」


「愛未!」


愛未は教室を出て行った。


親友だと思っていたのは私だけだったんだ。


話せば何とかなるって思ってた。


どうしてこうなっちゃったんだろう。


簡単なんだ。


友達を失うのって。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る