私の後輩が可愛すぎるんですが。ー9ー
藤宮くん達との勉強会は続き、試験まであっという間だった。
いつもより落ち着いてテストには挑めた。
そして
テスト返却日はやって来た。
「数学が70点!?」
数学の答案用紙に書かれた事の無い点数を見て私は何度も確認する。
他の教科も平均点に到達はしている。
だけど
数学だけは本当に平均点なんてありえなかった。
「透子ちゃん、どこ行くの!?」
「一年生の棟!」
「休み時間、10分しか無いよ!?」
「すぐにでも行きたいの!」
私は休み時間になるなり、走って一年生の棟に向かっていた。
一年生の棟に着くと、丁度教室に向かっている藤宮くんを見かけた。
「藤宮くん!」
「透子先輩・・・わっ!」
気付いたら私は藤宮くんに抱きついていた。
「ありがとう!藤宮くんのおかげで全教科平均点!しかも、数学は人生初の70点!本当に本当に感謝だよー!藤宮くん!」
「と、透子先輩!!あ、あの!み、皆が見てますよ?」
「わっ!ごめん!」
私は慌てて藤宮くんを抱きしめるのをやめる。
「も、もう。そんな事されたらやばいじゃないですか・・・」
藤宮くんは顔を赤らめ、左手で口を覆う。
照れてる、藤宮くんが!
「ご、ごめんね」
「透子先輩・・・デート、今度の土曜日こそ行きましょう」
「えっ?」
「その為に俺、頑張ったんですからね?」
「う、うん!」
「あと、昼休みのお弁当、楽しみにしてます」
「うん!唐揚げ増量しておいたよ!」
「ありがとうございます!早く食べたいです」
テストが返却された時、私が一番に頭に浮かべたのは藤宮くんの笑顔だった。
私は藤宮くんが可愛くて仕方がないんだなぁ。
だけど
さっき抱きついた時、ドキドキした。
どうしてかな?
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