はじめてのおべんとう。ー8ー


「いやぁ!立夏くんがうちに来るとテンションが上がるわね。本当カッコよくなって」


「あ、ありがとうございます」


「はぁ、立夏くん息子にしたいわ。透子、嫁に貰ってくれないかしら」


「お、お母さん!!」


夕飯時になると、お母さんは立夏を見てうっとりしながら話す。


お母さんは立夏が大好きで今日の夕飯は立夏が大好きなオムライスにしている。


「やっぱりおばさんが作るオムライスが一番です」


「あ、ありがとう!」


「透子もこれくらい作れるようになれよ?家庭科でよく失敗すんだから」


「わ、分かってるって!」


「立夏くんはK大受けるのよね?」


「はい。法学部を。弁護士になりたくって今からたくさん勉強してます」


「お父さんも弁護士だものね。うちの透子も立夏くんくらい優秀になって欲しいわ」


「悪かったですねー!バカで」


「大丈夫です。テスト前は俺が透子の勉強見ますし。な?透子」


「うん。やだなぁ、立夏めっちゃスパルタだから」


「透子には厳しいから、俺」


「超理不尽!!」


「テストもうすぐだし、早速明日からだな」


「マジ!?」


「愛未も手伝う言ってたから」


何で辛い思いしながら勉強をしなきゃいけないんだろ?


「だ、大丈夫!ユキちゃんと勉強するし」


「だめだ。友達同士だとすぐ脱線すんだろ」


「透子、留年しない為にも立夏くんに助けてもらいなさい」


「分かったよ」


はぁ。


立夏と関わるのなるべく避けたいのに。


ついてない、私。



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