その後輩、小悪魔ですよ。ー9ー


「和樹ー?どしたぁ?」


「悪い。俺、透子先輩貰ってくから」


「はぁ!?」


え?


えぇっ!?


藤宮くんは私の手を引きカラオケルームを出た。


「え?あ、あの」


「抜け出さないと席替えさせられちゃいますから」


そ、そっか。


てか、私大胆な発言してたよね!?


振られて路頭に迷ったか、春名透子!!


「正直、俺・・・透子先輩以外の女子には全く興味無しだったんですよ」


「な、何で!?私より可愛い子ばっかじゃん!」


「だって女子なんて皆、見てくればっか見てくるし。でも、透子先輩は違う気がしたんです」


「え?」


「透子先輩は覚えてないですよね、やっぱ」


「藤宮くん?」


「ちょっと落ち着ける所、行きましょうか」


「う、うん!」


ついて来ちゃったけど、大丈夫かな。


藤宮くんがどんな子か私はまだ分かってないし。


まあ、愛未からかなり優等生な一年って聞いてたし、大丈夫かな。


だけど


さっきから怪しげな通り、通ってない!?


周りを見渡せばホテルが立ち並んでいる。


ホテル街ってやつ・・・?


ま、まさか・・・


私の身体、狙われてる!?


「あ、あの!私、そういうつもり無いから!」


「へ?」


「い、一回会っただけでヤるような女じゃないんで!」


私が言うと、藤宮くんは笑う。


「な、何で笑うし!?」


「すみません。勘違いさせるような事しましたね。この先に良い雰囲気のカフェがあるんですよ。駅前でチラシ貰ってて」


あっ!


「ごめんなさい、ごめんなさい!!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る