第4話 お腹の上で眠りたい

「パパ、お願いがあるの。パパの上で寝ていい?」


「上で?いいけど、どうして」


「私、小さい時に、公園で父親が上向きに寝て、赤ちゃんをお腹の上で寝かせているのをみたことがあるの。私、父親がいなかったから、とてもうらやましく思ってみていたの。一度でいいから上で寝かせて」


「何度でもいいけど。久恵ちゃんは小柄で軽いから」


「うれしい。お願いします」


「じゃあ、上に載って、パパが膝を立てて脚を少し広げるから、久恵ちゃんはうつ伏せて、脚を開いて、膝の外側へ、両手は両脇へ、そうすると、落ちにくいと思うけど」


「うん、安定して落ちにくい。顔は横向きね。パパの温もりを感じて、気持ちいい。重くない?」


「大丈夫そう。上から布団をかけるよ。おやすみ」


久恵ちゃんの腰骨と胸のふくらみを感じる。寝息が聞こえるので、もう眠ったのかな?


顔を覗くと、口からよだれが!可愛い。


朝、目が覚めると、横にしがみついていた。

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