第3羽 せんせい

 学校の先生


 とにかく濃い先生ばかり、暑がりで扇子を持っていたりサイズの合わないスーツを着ていたり、病棟の指導者に頭の上がらない男の先生やクッキー屋さんのおばさんのような微笑みの先生から、ロックな先生まで様々。



「あなたたちはここに遊びにきているんですか?」


「親の顔は見ています、たいした教育じゃないですか。あなたはそうやって今まで生きてきたんですね」


「はい、静かになるのに1分30秒かかりました。普通の学生とは違うとんだということ分かっていますか?」



 忘れられない先生が誰しも1人はいるのではないかと思う。私の中で彼女の存在は大きくて言われて辛かったことをひしひしと思い出させてくれる。親の教育や今までの人生の話を実習中にされるのだ。母性看護実習という妊婦さんと産後のお母さんたちの援助を学ぶところだ。パーテーションで仕切られたところで足だけみせて指導される。といっても実習の内容ではなくそんな話。親の教育の話もされる。さすがに病棟の指導者さんから先生にも苦情がくる。それでも先生は自分を貫くすごい人だったなあ。


 先生の声が耳に残ることもある。悪魔のささやき、ただでさえ眠れないのに記録中ずっと怒られているようだった。今になってあの時の意味はこうだったとわかることもある。だけどもそれでも彼女みたいな人にはなりたくない。


 素敵な先生は優しくもあり厳しくもあり、眼鏡の奥の瞳で見守ってくれる。やる気を出させるのがうまい先生で彼女の話し方を真似したがうまくできなかった。大人の女性と感じる憧れの対象だった。




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 千里の道も一歩から

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