第201話 覚醒の英里佳
■
土に赤い染みが広がっていく。
そして今この時も、ポタポタと地面に赤い液体が落ちては地面へとしみこんでいく。
「はー……はー……」
全身に軽傷でこそあるが、切り傷を負って血を流す。
榎並英里佳は、この学園に来て久方ぶりに窮地に立たされていた。
「しぶとい奴め……!」
そしてそんな彼女を追い詰めているのは、チーム竜胆のスカウトを務める双剣使いの萩原渉であった。
顔にゴーグルをつけている上に、何やら動きが鈍い英里佳。
普段の彼女ならばここまで追いつめられることは無いし、そもそも渉の方が追いつめられるはずだったのだが……
「くっ……ぅ……」
「そうやって何度顔を背けるつもりだてめぇ!」
そう、英里佳は先ほどからゴーグル越しの視界ですら渉に向けないので。
そして攻撃をしてきても途中でそれが鈍る。
さらには戦いの最中だというのに心ここにあらずという具合で攻めてこず、ずっと何かを考えているようだ。
――ふざけるな。
渉は英里佳の態度にそのような苛立ちを覚えずにはいられなかった。
渉は少なからず、英里佳のことを尊敬していた。
一年で間違いなく最強だと言うその実力には嫉妬を覚えつつも、ドラゴンスケルトンの頭部を文字通り消滅させたあの一撃には羨望を覚えたものだった。
だが、それだというのに今のこのザマはなんだ?
昂っていたはずの闘志が、案山子を相手に切り付けているような手応えによって怒りをにじませる。
「もういい……そっちがその気なら――」
渉が何かを仕掛けてくると思い、身構える英里佳
「――とっとと死ね」
「なっ!?」
すぐ背後
――それもかなり近くから渉の声が聞こえてきた。
振り返ろうとする前に、腕が首に回されて呼吸が出来なくなる。
(あれは――変装スキルっ!?)
先ほどまで眼前にいた渉の姿は消え、布きれらしきものが残った。
エージェント系のスキルにある変装スキル
以前に戒斗が同じことをしていたが、この萩原渉も同じことができるのかと驚愕する。
自分が彼から目を背けている間に、そんな小細工をする時間を与えてしまったのだと英里佳は理解した。
「
そして渉の手に握られた白刃が、その喉へと突きつけられる。
その時だ。
「――生存強想 Lv4!」
切羽詰まったような、とても必死な、聞きなれた、だけど今はできれば聞きたくない声がした。
「
「え」
一瞬で、先ほど聞こえた声が耳元で聞こえた。
首の圧迫感が無くなり、その代わりに肩を誰かに掴まれて、尚且つ……抱きしめられているのだと実感した。
「なっ!?」
そしてその一方で、急に自分の狙いを定めていた相手がいなくなり、渉の戸惑った声が聞こえてくる。
「お前ぇ……!」
その一方で、英里佳は自分を抱きしめているであろう人物の顔を見上げた。
他の者たちと違って、その顔に違和感など一切ないありのままの表情だ。
それが今、今まで何度か見た覚えのある、怒りに満ちた表情をしている。
「英里佳に、何してんだぁ!!!!」
歌丸連理が、そう叫びながら抱きしめる力を強くした。
そして、数秒の沈黙の後……
「お前、何やってんだ?」
萩原渉の、冷めたような、言葉が返ってくるのである。
■
「お前、何やってんだ?」
「……え?」
「いや、え、じゃねぇよ。
お前今の状況分かってるのか?」
先ほどまで怒りに任せて怒鳴っていた僕だったが、萩原くんのその問いに僕は数秒ほど沈黙してしまう。
そして冷静に、極めて冷静になって深呼吸をして、今僕の腕の中でゴーグルをつけた状態でこちらを見上げてくる英里佳を見る。
「…………」
「…………」
ゴーグル越しだけど、多分見つめ合っているこの状況で、僕は頭に登っていた血が下へ下へと降りていくのを実感する。
「……おぉ!? 僕何してんだ!?」
「こっちのセリフだアホっ!!」
僕は慌てて英里佳を抱きしめていた手を放し、両手を上げてその場から急いで離れると、目を吊り上げてかなり起こり気味な萩原君が迫ってきた。
「お前本当に何してんだ!
あと少しで榎並英里佳を撃破して俺たちの勝利に近づけたんだぞ!」
「ご、ごめんなさいごめんなさい!
謝るから刃物向けないで、危ない!」
「謝って済むか!
お前いきなりやってきてどういうつもりだ!?」
「本当にごめん!
悪気はなかったというか、英里佳が危ないって思ったらその、つい……スキルが勝手に発動しちゃって……わざとじゃないんだよ」
「もう少しマシな嘘を言え」
「いや、本当に、ガチでわざとじゃないんだって!
さっきのスキルだって、今まで覚えてなかったのが急に使えるようになっちゃって!」
さっきの『素立無場居』は、前に未来から来た椿咲の使っていたスキルだ。
英里佳を助けなければって強く思った途端に勝手に覚えて使っていた。
そんな風に必死に謝る僕に詰め寄って、胸元を掴んでくる萩原くん。
「こっちはそうでなくてもイラついてるってのに、なぁ、本当に、お前よぉ……!」
「な、なんかいつもより怒ってない?」
「怒ってるんだよ実際に。
ああくそ、今なら蓮山の気持ちが少しわかるぜ……!」
そう吐き捨てるように言ってから解放された。
「もういいから先に行け。
さっさとこいつ倒して俺も良く」
「え、あの、でも」「いいから行け」
できれば英里佳と話がしたかったのだが、有無を言わさないような迫力に気圧されてしまう。
「歌丸、くん」
そんな時、英里佳が僕の方を見ている。
……いや、ゴーグルだから視線とかわからないけど、多分見ている。
「どうして……今、助けたの?」
「え、いや、だから咄嗟に思わずというか……」
「どうして?」
「どうしてって、そりゃ……」
――ここに来て、最初に目に入ったのが英里佳が萩原に後ろから抱きしめられているような姿だった。
その姿を見ただけで腹に穴が空いたかのような気持ちにさせられて、そしてそのすぐ後に英里佳の首が着られそうになって、腹に遭った分の血が一気に頭に登った。
どうしてそこまでなったのだろうか?
他の人でも同じなのだろうか?
それとも、今が模擬戦だということを思い出して自制できたのだろうか?
「――おい、さっさと行け。
そういう話はあとにしろ」
僕が考えていると、萩原君が苛立ったような声でそう言ってきた。
「……ごめん、歌丸くん、今の質問は忘れて」
「え、あ、いや、その」
「おい歌丸、いい加減にしろ」
萩原くんが苛立った様子で肩を掴んでくる。
これ、そろそろ行かないと本気で怒られるやつだ。
そうとはわかっているのだが……今、この瞬間にでも英里佳に伝えたいことが僕にはあるんだ。
■
榎並英里佳は、自分の醜態に愕然としていた。
――助けられた。
歌丸連理に、助けられた。
それがとてもショックだったのだ。
別に、歌丸のことが嫌いなわけじゃない。
むしろ逆といってもいい。
だが、いや、だからこそだ。
(私が……守られた?)
何度も何度も、自分の心に誓ってきたはずだ。
歌丸連理を守る。
そう自分に何度も何度も何度も何度も誓ってきた。
だが、いつもそれを達成できなかった。
最初は助けられた。
次は一人では守れなかった。
そしてまた助けられた。
さらにその次は周りと協力しても守らえなかった。
今度もまた、助けられた。
(私は、いったい……何をやってるの?)
入学してから、ここに至るまで、自分がまったく成長してないことを実感した。
歌丸連理も、三上詩織も、苅澤紗々芽も、日暮戒斗も、出会ったときよりもずっと強くなっている。
だが、自分はどうだ?
入学時から最強レベルの実力を持っていた自覚はある。
歌丸のおかげで、ベルセルクの能力を自在に使えるようになっていた。
周囲との連携で、想定していた以上に早く、かつ効率的に迷宮も攻略できている。
迷宮以外でも、思っていたよりずっと楽しい生活ができている。
だが、どうだ?
その中に、英里佳自身が自力で勝ち取れたものが果たしていくつあるだろうか?
皆無ではない。だが、少ない。
英里佳が独自で勝ち取れたものは、他の者たちに比べれば圧倒的に少ない。
唯一持っていた強さだって、あと数カ月もすれば他の者たちに抜かれる。
いや、事実戒斗には単体ではもう勝てないかもしれないと、今更ながらに考える。
それでも自分が優位に思っていたのは、歌丸がいるからだ。
歌丸と一緒にいれば、自分は誰にも負けないという気持ちがあった。
だが……その根底には自分なら歌丸を守れるという考えもあったのだ。
それが今、再び自分が逆に守られているという現実を突きつけられて揺らいでしまった。
「――英里佳」
現実に叩きのめされて、今にもその場で崩れ落ちてしまいそうになった時だ。
歌丸の言葉に反応して顔をあげた。
「おい歌丸」「すぐ終わるから」
萩原の怒りの声にも一切揺らがず、歌丸は英里佳を真っ直ぐに見る。
「君のことが、一番大事だから」
そして、頭が真っ白になった。
「試合だと頭で分かっていても、心が君が傷つくところを見たくないって叫んだ。
だから動いた。それが、僕の君への回答だよ」
そう言った歌丸だったが、ゴーグル越しでもわかるくらいに顔が真っ赤になっていた。
「それと……これが終わった後でいいから、話があるんだ。
時間、作っておいて欲しい」
「…………う、歌丸く」「じゃ、じゃあそういうことで!!」
何か返事をしないといけないと思って声を出すが、その前に歌丸はそのまま急ぐかのようにその場から去って先へといった。
「……俺は一体何を見せられているんだろうな?」
そんな歌丸を冷ややかな目で見送ってから、渉は英里佳の方を向き直る。
「まったく……とっとと終わらせてやるよ。
お前は大人しくあいつへの返事でも考えてろよ」
渉が何か言っているようだが、英里佳の耳にはそれが届かない。
今の英里佳の内に渦巻く感情
嬉しさや恥ずかしや照れや喜びや、いろいろあるのだ……その感情のうねりと、自分に叩きつけられた現実が一つの激情を生み出す。
――圧倒的な、怒り。
――自分の醜態への、圧倒的な怒り。
腹の奥底からマグマがほとばしるような熱量が、英里佳の全身に駆け巡る。
(私は一体、何を考えていたの?)
足が震える。
(歌丸くんが、どれだけ私のこと想ってくれたのかも忘れて、私は何をしていたの?)
肩が揺れる。
(嫌われるかもしれないとか、恥ずかしいとか、私は自分のことばっかりで)
爪が掌に食い込む。
(嫉妬して、怖がって、その上でそんな姿を彼に見られて……)
歯が軋む。
(私は、一体、何をやってるんだ……!)
ただ一つ、歌丸の言葉を受けて英里佳は自分の芯を思い出した。
――歌丸連理を、自分の全身全霊をかけて守る。
それを思い出した途端、英里佳は握った拳を自分の顔に叩きつけた。
「は?」
英里佳の奇行に渉は呆気に取られて動きが止まる。
英里佳はゴーグルごと自分の顔を殴り、結果、頭に着けていたゴーグルはその個所から真っ二つに割れて地面へと落ちる。
精密機械らしく、色んなパーツが地面へと散らばった。
「お前……何やってんだ?」
渉の言葉も無視して、英里佳は自分の額に触れる。
ゴーグルを割った際にパーツで切ってしまったのか、血が流れている。
「――私はわかってなかった」
「は?」
「――私は今まで、できること全部に全力で取り組んできたつもりだった。
だから、この学園にくるまで無縁だった」
「お前、何言ってんだ?
歌丸の言葉が嬉しすぎて頭がおかしくなったのか?」
「――ううん、逆。私はようやく正気に戻れた。だからわかるの」
額から流れる血が目に入っている。
だがそれなど一切気にしないと言わんばかりに、英里佳は自分の血で赤くなった目を見開く。
まるでそこにもっと血を入れようとしているかのように。
「――私は今、後悔している。
歌丸くんが傷つく姿を見て悲しいとか、怒ったことはあっても、悔しいって気持ちをよくわかってなかった」
目に異物が入る、というのはかなり苦痛のはずだ。
だというのに、英里佳は焦点も定まってない状態で渉を見据える。
その迫力に、渉はその場から一歩だけ後ずさる。
「それが今、ようやく、ちゃんとわかった。
私は悔しかった。
悔しかった気持ちをちゃんと受け止め切れず、それをそのまましてきた。
ちゃんと後悔してこなかったことを、今後悔してる」
鮮血で真っ赤に染まった目は、もう何も見えないはずだった。
「悔しい」
手に持っていたナイフを捨てる。
そして前へと歩き出す。
「情けない」
さらに前へ踏み出す。
「だけど、それでも私は」
そして、とうとうその足は地面を強く蹴った。
「歌丸くんを、守りたいのっ!」
視界がほぼなくなった状態にも関わらず、突っ込んでくる英里佳
その迫力に気圧された渉だったが、すぐに持っていた双剣を構える。
「だから、そういうのはよそでやれ!」
頭がおかしくなったと渉は判断し、速攻で勝負をつけることにした。
「――スクエアスラスト!」
四連続刺突攻撃
それを両手で交互に放つ、八連続刺突攻撃
スカウトでもこんなことが出来るのは渉くらいだろう。
本来なら片手だけでも十分だったのだが、そこは相手の実力を警戒して念には念をと両手でスキルを発動させた渉。
これで終わると確信を持っていたのだが……
「――はぁ!!」
「ぐっ!?」
気が付いた時には、掌底を腹に食らっていた。
(重っ……!)
英里佳の華奢な体格からは信じられない重さの一撃に、口から血が吐かれる。
(この一撃、レイドウェポンで増やした重さを拳に乗せてるのか?
い、いや、それ以上にどうして俺が攻撃を受けている!?)
「アサルトステップ……!」
それを確かめようと、いったん距離を取った直後に再び接近し、双剣を振るった。
そして渉は見た。
そのすべてが英里佳によって回避されるのを。
「――がはっ!?」
それどころか、ナイフを振るった際のわずかな隙を縫うようにカウンターをもらうこととなる。
その一撃がどれもが重く、口からさらに血が流れ、そして足が動いたのを見た瞬間にまずいと思ってすぐに距離を取った。
拳でも相当重いが、蹴りなど受けたら確実に一撃で殺される。
その判断は正しく、先ほどまで自分がいた個所に風圧の身で地面を抉るほどの回し蹴りが放たれた。
「テメェ……見えてるだろ、榎並英里佳!」
「言うほど見えてない」
「嘘つけ!
そうじゃなきゃあんな、ここまで完全にカウンターが入るか!」
「見えてないよ。
ただ……予測しただけ」
「予測、だと?」
「天藤会長に教えてもらったことを思い出した。
――私は五感に頼り過ぎる。
それを今まで鍛えてきたわけだけど……今それが枷になっているからこそ、今はそれを捨てて戦う」
そう言いながら再び構える英里佳
よく見れば、その肩には深めの傷痕がある。
そして手元を見れば、左手に握っている剣に血がついていた。
カウンターに気を取られていたが、完全に避けられていたわけじゃなかったようだ。
「今から、無駄にしてきた時間を取り戻す」
「手遅れだけど、それでも私は全力を尽くす」
「あなたには悪いけど、私は全力で強くなるために、全力であなたを練習台にさせてもらう」
目を深く閉じ、その場で構えを取り直す英里佳
「歌丸くんに全部しっかり打ち明ける。
私がしてしまったことに、全力で向き合うって決めた。
そのために、私は今までの私より強くならきゃいけない。
そうしなければ、私は歌丸くんに顔向けができない」
謝らなければならないことがたくさんある。
伝えたいことがたくさんある。
嫌われるかもしれない。
失望されるかもしれない。
だけど、もうそれでもいいのだ。
もう、良いのだ。
『君のことが、一番大事だから』
その言葉を聞けただけで、もう十分過ぎるほどに自分は救われた。
今までの人生の中でも、英里佳にとって一番幸せな言葉であった。
その言葉がどれだけ勇気のあることなのか、英里佳は知っている。
気持ちを伝えてもらえることがどれだけ幸福なことなのか実感した。
「てめぇ……どこまで人のことを虚仮にすれば気が済む?」
本気で苛立った声が聞こえてくる。
しかし、英里佳はもうそんなことは気にしない。
「もう、私は迷わない。
遠慮もしない」
そう、もう腹を括ったのだ。
「強くなるためなら、貴方で練習させてもらう」
いくら傷ついても治るし、死なないというこの模擬戦はまさに練習に格好の状況。
これを使わない手はない。
「だったらまた、後悔させてやるよぉ!!」
英里佳の態度が癪にさわり、渉は自分の全霊をもって目の前の女を殺しにいく。
「もう後悔はしない。
――あなたを倒して、私はもっと強くなる」
渉が本気であることを理解し、その上で英里佳は瞼を閉じる。
相手が殺す気で来ることこそが、今の英里佳にとって最も望ましいのだから。
双剣から放たれる連撃
それを無手でさばき、時折受けてしまうが予測と音、そして気配で急所への攻撃は防ぐ。
その一方でカウンターの打撃を与えるのだが、必殺の蹴りは避けられる。
「げほっ!」
渉の口から血の塊が吐き出される。
何度も打撃を受け、肺に肋骨が刺さったようだ。
「ぅ……!」
そして英里佳も、度重なる斬撃の深手によって右手が上がらなくなってしまった。
「まだ、まだだ!!」
「負けない……後悔、しない……!」
お互いに傷は深い。
しかし戦意は衰えるどころかさらに燃え盛る。
「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
先に仕掛ける渉。
「アクセルステップ!」
距離を詰めてからの斬撃の連撃
「――スクエアスラント!」
さらに畳み掛ける連撃
だが、それを待っていたと言わんばかりに英里佳が一発を右肩に受けながらも間合いを詰めてきた。
「
ベルセルクのスキルを使ってくる。
そう思って足を警戒したのだが……
「
放たれたのは、頭突き。
蹴りを警戒していた渉はその攻撃に虚を突かれて体勢を崩す。
「これで、終わり!」
相手は避けられない。
そう確信して英里佳は必殺の蹴りを放った。
渉との戦いの中で、英里佳は教えてもらった予測の技術をさらに高めていった。
その一方で、予測しきれなかったことが一つあった。
――萩原渉という少年の、根性だ。
「――スローエッジ」
シーフ系の投擲スキル
それを両手で、体勢を崩しながら放ったのだ。
英里佳の足が倒れる渉の頭部に直撃
そして渉の双剣が英里佳の胸部を二本とも貫通
それがほぼ同時に起きた。
「ぁ……ぐ……そが……」
「……く、ぅ」
両者ともに、歯を食いしばるようなとても悔し気な表情を浮かべ、そして消えていった。
――榎並英里佳
――萩原渉
――両者の戦いは、引き分けという形で幕を閉じた。
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