第92話 戦えなくても立ち上がれ!

スキルを奪うスキル


ネットの小説とかで反則的な能力――チートと呼ばれる能力の代表的な一角


たとえ相手がバカげた身体能力や、アホみたいに多い魔力を持っていても、それがスキル由来であるのなら問答無用で奪い、自分のものとすることができるという


相手の弱体化と自身の強化を同時に行えるもの


しかし……この能力の本質はそこじゃないと、今なら言える。



奪われるという、その効果そのものが僕に与える恐怖と喪失感


叶うなら、今すぐにでも逃げ出したいとすら思えるこの不安さ


そして、自分がこれまで築き上げてきたすべてを否定されているかのような絶望に、僕の戦意は今にも挫かれそうになる。



「歌丸くん、痛みは引いた?」


「……う、うん……今は、たぶん」



スキルの効果で抑えられていたアドレナリンが一気にまとめて出てきているのか、冷たくなっていく心とは反対に体の熱がどんどん上がる。


痛みも、先ほどよりはだいぶ楽になる。


今もまだ気絶してしまうくらいの激痛に蝕まれているが、意識覚醒アウェアーが発動する回数も、少しずつ減ってきている。



「……紗々芽さん、回避中心の命令をお願い」


「うん」



先ほどの相田和也の言葉で紗々芽さんもすべてを察したのだろう。


迂闊に触れれば、僕にとっての生命線であるスキルが奪われてしまう。


そうなれば、この場での僕の死は確定する。



「おいおい、そんな無理すんじゃねぇよ。


今すぐ逃げたいって顔にかいてあるぞぉ?」



スキルを奪うスキル


その効果が僕に与えた精神的なゆさぶりを理解しているのか、挑発をしてくる相田和也。



「そんなもの、また取り直せばいいだけの話さ」



苦痛耐性フェイクストイシズムが最初に奪われたのは、不幸中の幸いだった。


意識覚醒が奪われれば英里佳に狂化の作用が出ることになるし、特性共有ジョイントでも同じことだ。


これらが奪われれば、救助を待つという選択肢も絶望的になる。


そしてスキルの効果は驚異ではあるが、それも絶対ではない。



落ち着くんだ。



僕がすべきことはこの場で相田和也を倒すことではなく、いかにこの場から逃げられるかだ。



「GYAAAAAOOOOOOOOO!!」


「きゅ、きゅう!」

「きゅるるう!!」



「GUOOOOOOOOOOO!!」

「ふんっ!」



それぞれのラプトルを相手にしているシャチホコたち。


まだ相手は元気で、今逃げても追跡される。


二匹のラプトルが無力化された瞬間にこの場から逃げる。


そのために神経を研ぎ澄まして、この場で僕は生き延びる。



「かかってこいやチキン野郎」


「……は? ビビってんのはお前だろうが」


「学長から力もらわなきゃ何にもできなかったような根性なしよりはマシさ」


「ふぅ……まだ奪われたりないようだなぁ!!」



こちらに向かって走って近づいてくる相田和也


瞬間、また姿を消す。



「避けて!!」



即座の命令


同時に僕は反射的に右側に跳んだ。



「ちっ!」



やはり、転移によって僕の死角から攻撃をしてきた。


その手は無手で、殴られても対して問題はないが、迂闊に攻撃を受ければそれだけでスキルを奪われる可能性がある。


それだけは絶対に避けなければ。


追撃はせず、すぐに距離を取ろうとしつつ、僕は懐に手を入れて、そこに仕込んでいた小さなナイフを取り出した。


ナイフといっても、果物ナイフなんだが……


ナイフでの戦闘術は簡単に英里佳に習っていた。


だけど正直パワーストライクが使える素手の方がこの果物ナイフより強い。


それでも今この場で果物ナイフを取り出したのは、相田和也に素手で触れるとまたスキルを奪われる可能性があると思ったからだ。



「おいおい、ちゃちなナイフで殺せると思ってるのか?」



馬鹿にしたように笑いながら間合いを詰めてくる。


腕を大振りに、僕に触れようとしてくる相田和也


相手の方がやはり動きはよく、咄嗟に腕が僕に当たりそうになったので、その腕をナイフで牽制しようとした。


だが、相田和也はそんなこと構わないというかのようにナイフを刺されたまま僕の首を掴む。



「かっ、は……!」



まさか、苦痛耐性の効果――いや、違う、それを奪う前からもうこいつ……!



「痛覚ならもう完全になくなってるんだよ、バーカ」



また、何かが奪われた。


それが何なのか確認する前に、僕は相手の腹を蹴って無理矢理でも距離を取り、後ろに下がる。



「……お、なんか体が急に軽くなったぞ。


なかなか便利だな、このスキル」



相田和也はそう笑いながら腕をぐるぐると回している。その動作の拍子で、ポロリとナイフが腕から落ちた。


……やはり、痛がる素振りすらない。


そして僕の身体に今のところ異常はないが……間違いない“万全筋肉パーフェクトマッスル”が今奪われたんだ。


まずいな……全力疾走するために必要だったスキルがなくなった。


逃げることが余計に困難となったが……まだだ。まだ致命的な状況じゃない。



「お前のスキルは……僕と違って任意でスキルを獲得できるが、代償を要求されるものなのか?」



時間稼ぎとして迂闊に攻めるのはあまり良くない。


そう思うと、自然とそんな質問を相手に投げかけていた。



「はぁ? お前自分でスキル覚えられねぇのか?」



馬鹿にしたみたいに勝ち誇った顔をする相田和也



「そいつは随分と不便だなぁ……流石ザコ丸


スキルのほうまでザコだったのか。


いや悪かったな、同情するぜ正直」



饒舌に、立場が上だとあちらで認識したのか上機嫌に語る相田和也



「痛覚を全部……そう言ったけど、他に一体何を代償にしたんだ?」


「“悩む”という感情の7割を代償にした転移系スキル“神出鬼没イルシブ


“躊躇い”の4割を代償にした大気操作スキルの“掌亜空デミエア


“痛覚”の3割を代償にした“異常耐性”


そして“痛覚”の残り全部を使って今獲得した“栄光簒奪ミスグローリー


どうだ、お前とは違って、俺は効率よく、そして邪魔なもんを切り捨てて欲しい力を手に入れたんだぜ!」



声を荒げて、自分の優位を訴えるようにそう語る相田和也


そして同時にようやく理解した。


彼がここまで暴走した最大の理由は、それらのスキルを覚えたのが原因だったのだ。


悩みと躊躇い……これは一見すると負の感情に思えるかもしれないが、そうじゃない。


これは、自分が正しいのか見つめ直す上で絶対に必要となるプロセスだ。


何かをする前に悩むことで後のことを考え、実行する直前で自分の正義を問う。


彼は今それが著しく欠如してしまっている。


故に、自分が間違っていることを自覚できない、もしくは常人よりもはるかにその判断が難しくなっているのだ。


それはもはや、ブレーキの壊れた車に等しい危うさだ。


僕のスキルの意識覚醒が仮に発動したとしても、アレはあくまで意識を通常時に戻すだけであり、その通常状態そのものが欠陥を抱えている相田和也には効果がないのは当然の話だったのだ。



「あのクソドラゴン……!」



何が僕なら大丈夫、だ。


僕じゃどうあがいても手に負えない相手じゃないか。


いや、そもそもこれじゃ仮に捕まえたとしてもいったいどうやって彼の暴走を止めるというんだ……!



「君は、その行いによってどれだけ人として大切なものを切り捨てているのか理解しているのか?」



「はぁ? 邪魔なもんを外して力を手に入れる。


最高じゃねぇかよ」


「違う。


そんなものは本当の力じゃない。


仮にそれを力だといえても、今の君はその力に振り回されているだけだ」


「じゃあ、確かめてみるか?」



そう言って、一瞬で相田和也は僕の前に立ち、顔面を殴ってきた。



「ぐっ!?」



まだ踏ん張れる、その程度のダメージだったが、また何かを失った気がした。



「――パワーストライク」


「がはっ!?」



先ほど以上に鋭い一撃で体勢を崩され、体は大きく横を向く。



「おら、まだまだ行くぞ――パワーストライク!」



そこから何度も何度も、今までよりも強力な一撃が体に叩き込まれていき、その最中に何度も意識覚醒アウェアーが発動し、全身の激痛に悲鳴をあげたくなったが、その前に殴られて何もできなくなる。


最後に腹に叩き込まれ、僕は踏ん張れなくなってその場にうずくまる。



「う――おぇ……!!」


「くっ、ははははははは!!


くっせぇ、こいつ吐きやがった!!


ああ、そう言えばお前ザコ丸じゃなくて、ゲロ丸だったもん、なぁ!!!!」


「あがっ!?」



そのまま頭を勢いよく踏みつけられ、僕は生暖かい感触を頬に受けながら必死に僕を踏みつける相田和也を睨んだ。



「あ? なんだよその眼はぁ!!」


「づっ!?」



頭に衝撃を受ける、まるで万力で挟まれているみたいに痛くて、自分の顔の状態など一気に意識の外へと吹き飛ぶ。



「ここは、さぁ!」


「ぐ」


「弱いくせに、調子乗って」


「ごぁ!」


「すいません――だろうがぁ!!」


「――“耐えて”!!」



サッカーボールみたいに勢いよく頭を蹴られる。


首から上がもげるんじゃないかって思うくらい勢いよく蹴られた。


今ので死んでいてもおかしくないくらいの力だったが、咄嗟に紗々芽さんの補正を受けたおかげで痛みはあっても異常はない。


まぁ、意識はトんだけど。



「ぐぇ……がはっ、えほっ……!」



歯は……抜けてない、けど……口の中エグイくらいに切れて、血がダラダラとこぼれてくる。


せき込むだけで喉が痛い。


視界がなんか赤くぼやけてる。


……でも、まだ大丈夫



「歌丸くん!」


「まだ……だい、じょう…………あ、あれ?」



立ち上がろうと手足に力を込めている。


なのに、どうしてか力が入らない。


重い。


手足が、石のように重くて、まるで全身が泥の中に使っているみたいに動くのが億劫だ。



血界突破オーバーブラッド……だったか?」


「うぅ……ぐ……!」



意識が飛ぶ。


何度も飛ぶ。


視界が何度も暗く、鮮明になるのを繰り返していく。


そしてどんどんどんどん、体の芯から熱が奪われていくようだ。



「それだけ出血してピンピンしてた理由はそれだろ。


安心しろよ、もうこれ以上スキルは奪わないでおいてやるよ」



今、相田和也がどんな顔をしているのか僕にはわからない。


だけど、きっとその表情はとても凶悪に歪んでいるのだろう。



「そのまま、自分が死んでいくのをはっきり自覚してくたばれよ」



――死ぬ……?


――僕が、ここで……?



身体の熱は今も奪われ続けていく。


ああ、そうか……背中の傷口も開いてるし、両肩ともかなり深く切られていたんだ。


出血量なんて、スキルが無ければとっくに限界を超えていたんだ。


今になって、自分がどれだけ無茶を重ねてきたのかよくわかる。


僕はしょせん、スキルが無ければ……こんなにも何もできない男だったんだ。



――眠い……辛い。


――息苦しくて、寒くて……すべて、どうでもよく思える。


――このまま、眠ってしまおうか……?



視界が明滅するみたいで、鬱陶しい。


意識覚醒アウェアーをオフにしてしまえば、もう全部楽になれるのかな?



「――歌丸くんっ!」



その言葉を聞いた時、幻聴かと思った。


だって、今この場に彼女がいるはずないのだから。



「歌丸くん、歌丸くん!」



ぼやけた視界の中で、気付けば僕はあおむけになって誰かに体を起こされている。


そこにいるのは、誰だろう?



「……えり、か……?」



ぼやけた視界がほんの一瞬だけ鮮明になる瞬間、今にも泣きだしてしまいそうな英里佳の顔が見えたような気がした。






榎並英里佳はエンペラビットのギンシャリに案内されてようやくたどり着いた場所


そこには確かに探していた人物がいた。


歌丸連理と苅澤紗々芽だ。



しかし、そこで見たのは血の中で倒れ伏している歌丸連理の姿だった。



抱き上げて名前を呼んでも反応がない。



(呼吸がおかしい……それに、肌の色も、汗もすごい……これって、出血性ショック状態……?)



現在の歌丸の状態を判断し、同時に疑問に思う。


出血が多いのは傷を見ればわかるが、彼にはそれを防ぐスキルを持っていたはずなのに、どうしてそれが発動しないのか。



「英里佳、歌丸くん、スキルを奪われたの!」


「っ、どういうこと、紗々芽ちゃん!」


「あいつに触られて、歌丸くんがスキルを奪われたの!」



紗々芽の指さした方向を見ればそこには勝ち誇ったような顔をしている相田和也の姿があった。



「スキルを奪うスキル……そんなの聞いたこと…………ううん、今はそんなことどうでもいい。


歌丸くんのスキル、すぐに返して!」


「はははははっ、やーだね!


そんなこと言われて『はい返します』なんてなるわけねぇだろ、馬鹿じゃねぇの?」


「だったら、力づくで――!」



すでにその体は狂狼変化ルー・ガルーによって強化が施されている。



「紗々芽ちゃん、歌丸くんの止血をお願い!」


「う、うんっ!」





ぼやけた意識の中で、相田和也に対して英里佳が攻撃を始めた。


スキル奪うことはできても、圧倒的な能力値の差は埋められないと判断したのか、相田和也は持っていた転移スキルで逃げの一手のようだ。


……さっきまでそんな転移乱発してなかったはずなのに、どうして……?


「そんな、どうしてこんな……!」


「はははっ、スキルの反動がなくなる、これ、最高じゃねぇか!」



……ベラベラと口の軽いやつだが、おかげで原因がわかった。


もともとパワーストライクみたいにクールタイムが必要なスキルだったんだけど、僕の万全筋肉パーフェクトマッスルを奪ってその反動を抑えられるようになったんだ。


おかげで、英里佳相手でも転移によって渡り合えるってことか。



「……ダメ、傷口が大きすぎる……!」



紗々芽さんが僕の失血をしようとしているのだが、背中全体や両肩、そして左腕と傷口が多い。


一応、傷口を高いところにするために、紗々芽さんが僕の背中を支えて座り込んでいる状態にしてもらっているが、てに力が入らない。




「えっと…………あ、そうだ!


今あるポイントで、血界突破オーバーブラッド取り直せば……学生証借りるね!」



背中から僕の胸ポケットに手を回して僕の学生証を取り出す紗々芽さん


そのまま僕を支えるために抱き着くような形で学生証をフリックする。



「あった、これで……!」



僕の目の前で操作される学生証の内容も僕も確認できた。


シャチホコたちがラプトルを攻撃しているおかげで、ポイントは十分にある。


それで血界突破を覚えようと選択したのだが、文字が灰色のままで、押しても反応がない。



「そんな……反応がないなんて……どうして……?」



耳元で聞こえる紗々芽さんの声が震えているのがわかる。


試しにほかのスキルも選んだが、僕の奪われたスキルは灰色になっている。


物は試しと紗々芽さんがその部分を長押しすると、すぐに『修得済;封印中』と出てきた。



「覚え直せない……それじゃ、どうしたら……!」



……ああ、やっぱり無理なのか。


本当に、駄目だな僕は。結局、スキルだけで威勢良く吠えていただけだった。



「……に、げて」


「え……」


「えり、かの……すきるこうか、きれる……まえに……みんな、つれて……にげて」



あの転移、確かに厄介だけど英里佳の脚力があればきっとなんとか逃げ切れる。



「あどばんす、かーど……ぼくの……もって、はやく、にげ、て」



迷宮の攻略はシャチホコたちがいればきっと大丈夫だ。


英里佳や詩織さんにはこれまで以上に負担がかかるかもしれないけど、大丈夫。


僕がいなくても、きっと…………大丈夫だ。きっと。



「――勝手に諦めないで!!」



耳元で叫ばれたその声


それが、とても深く僕の芯に染み渡った。



「ようやく英里佳がここに来てくれたんだよ!


君のために、あんなに必死で、今もスキルを取り返そうって頑張ってる!


なのに、歌丸くんが先に諦めてどうするの!!」



……スキルの効果なのかな?


なんか、今……ものすごく気持ちが昂った。



「周りがドン引きするくらい、諦めの悪いのが歌丸くんの持ち味でしょ!


だからスキルが奪われたくらいで勝手に諦めたりしないで! 


スキルなくても、ラプトル相手に喧嘩売ってたんだからこれくらい今さらでしょ!!」



さらっと酷いことを言われた。


だが……確かにそうだ。


人間はいつか死ぬ。


僕も例外じゃない。


でもだからって、死ぬからって、それで何もしないのは確かに僕が良しとすることじゃない。


仮にこの場で死ぬとしても、最後の最後までみっともなくあがかないといけないんだ。



「だから、しっかりして!」



どくんと、その言葉を聞いた瞬間に全身が脈打った。


今、ちょっとだけ体に熱が通った気がした。


血液が、増えた?



――スキルもないのどうして……?



ぼんやりとした視界の中で僕は自分の学生証を確認した。


灰色の文字で、依然として『修得済;封印中』とされている。



――ああ、そうだ……



スキルが奪われたが……学生証には記載されている。


つまり、根っこは残ってるってことじゃないのか、これ?


そう思ったら、なんか閃いた。



「めい、れい……を……!」


「え……」


「――ぼくに、すきるをつかう……めいれいを……!」



自分でも何を言っているのかよくわからない。


ただ、今頭に浮かんだ考えを実行できるなら、きっとできる。


僕の実力というのが、どれほどのものかはわからないけど……少なくともそれはことなんだ、だから……!



「スキルを使って!!」



――来た。



血界突破オーバーブラッド、発動……!」



そう意識した途端、視界の明滅が一気になくなり、全身から血があふれてきた。


しかし、それは僕の死を意味しない。


手足に力がこもる。



「……は?」



キョトンとした相田和也の間抜け顔が、今ならはっきりと理解できる。



「……どういうことだ、スキルなら完全に奪ったはずだろ」



僕はその場から立ち上がって手足の感触を確かめた。


うん、奪われたほかのスキルも戻ってきている感覚だ。



「スキルは奪われたけど……結局それは僕がことだ。


なら、僕一人じゃできなくなったとしても……」



僕は今、後ろで僕を驚いた顔で見上げている紗々芽さんを見た。


そうだ、今の僕は一人じゃない。



「紗々芽さんがいれば、何も問題はない」



時間制限付きのスキル再使用


義吾捨駒奴ギアスコマンドの発動できるこの十分間、僕はまた今まで通りの僕でいられる。



「それで、次はいったい何をするんだ相田和也?」


「……なんだと?」


「結局お前のしたことなんて無駄だった。


学長のお遊びで、一人でなんでもできるようになったと錯覚してるお前なんかに」



僕一人じゃ何もできない。


それは認めよう、揺るぎない事実だ。


だからこそ、一つの確信がここにある。



「仲間と一緒に何度も修羅場を乗り越えてきたは絶対に越えられないんだからな!」



負けない。


一人にならない限り、僕は、僕たちは絶対に負けない。


今ならそう言える気がする。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る