魔法少女VSスーパー戦隊

大地

プロローグ

 【魔法少女】

 魔法界から力を授かり、世の為人のために力を行使する少女達の事。強く、優しく、気高く、鋼の精神で人間を守る。


 【戦隊】

 戦隊協会から選ばれた強い勇気と正義感を持つ若者たち。3人から5人以上のチームを組み、それぞれに専用のパーソナルカラーを持つ。


 備考:一般的に魔法少女は人類、戦隊は地球を守ると言われているが、基本的には助け合うものである。


 


 「サンフラワー、こっち!」


 左を飛んでいたハイドランジャーが叫んだ。今日この場所で武器の密輸があるという情報を聞きつけ、前方にはドクロのマスクをつけた雑兵が待ち構える。サンフラワーはビルの屋上を石蹴りの要領で飛び行くと、指を付き出した。


 「フラワー・マジカル・シュトローム!」


 発射された魔法の渦巻きは雑兵を包み込むと空高く吹き飛ばし、地面へと落っことした。空から落っこちた雑兵たちは目を回していた。サンフラワーは屋上から一回転して着地すると、すでに密輸犯を縛り上げていたハイドランジャーと合流し、笑顔でハイタッチした。


 「やーりいっ!今回も楽勝だったね」

 「これに懲りて、もうここで悪いことはしないようにね」


 縛られた悪党は悔しそうな顔をするが、すぐに口元に笑みを浮かべた。


 「何が可笑しいのよ……!!」

 「サンフラワー!あれ爆弾だよ!」


 悪党の手には筒のようなスイッチが握られていた。それを押すと、すぐ近くの木箱に付いていたタイマーが動き出した。サンフラワー達を道連れに自爆するつもりだ。

 カウントダウンは10秒。魔法を使っても遠くまで吹き飛ばすのは不可能だ。悪党は勝ち誇ったように笑うが、その笑いは一瞬にして凍り付いた。。


 赤、青、黄色、桃色、緑色。どこからともなく五つの光が飛んできた。

 光は上下左右縦横無尽に動き回り、爆弾の入った木箱を起爆装置諸共バラバラに切断し、サンフラワーとハイドランジャーの前に降り立った。


 「レッドソード!」

 「ブルーソード!」

 「イエローソード!」

 「ピンクソード!」

 「グリーンソード!」


 「まだ見ぬ明日を切り拓け!」


 「刀剣戦隊、ソードマン!」


 ソードマンと名乗った刀を持った侍のような五人の人物は、刀を鞘に納めて切り札を失って放心状態の悪党たちを横切り、サンフラワーたちに近づく。


 「ソードマン!来てくれたんだ!」

 「その通り。爆弾は俺達が破壊したから、心配しなくていいよ」

 「危機一髪だったよ~。どうもありがとう!」

 「お礼はいいよ。だって魔法少女と戦隊は助け合わなきゃね」


 5人と2人は笑顔でハイタッチをして勝利を分かち合う。今日の仕事はこれで終了。後はそれぞれの本拠地へと報告するだけだ。


 「そ、れ、と。この人達を然るべき場所に届けなきゃね」

 「武器も一緒にね」

 「手伝うよ。俺達も」

 「ありがとー」


 その日、街の警察署の前に縛り上げられた悪党たちと密輸武器、そしてこの人たちが悪い人であることが書かれた手紙が置かれていた。そしてそれらを運ぶ7つの影が目撃されていた。




 この世界には、世界の平和を守る二つの勢力がある。


 魔法を使う少女達。魔法少女。

 チームを組んで戦う若者。スーパー戦隊。

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