2-4)「詰め込みすぎ」ないために

 詰め込みすぎ、と感じる理由としてお話した情報量と文字ですが、そもそもこの情報量、自分が伝えたいのはどこなのかってところを考えてみましょう。


 情報には、

①伝えなきゃいけない事

②気づいてもらいたい事

③どうでもいいこと

があります。

 また伝えるタイミングとして

①すぐに知ってもらうべきこと

②何度も重ねて覚えてもらうこと

③あとのほうでもいいこと

もあります。

 自分の伝えたい事と、そのタイミングを考えてみて少しずつできるところからやっていくのが無難かな、というのが個人的な感覚です。


 伝えすぎる場合、①~③をどちらもごちゃまぜにしてしまっていることが多いです。どうしても減らしたい場合は、まず自分の出している情報がどれにあたるのか考えてみましょう。分類で把握した方が情報を扱いやすくなる……かもしれません。


 伝えなければいけないことを、冒頭にすべて持っていくのは危険です。英語を覚えるとき、単語と意味だけを見て覚えるのは結構大変じゃないでしょうか? 一気に覚えることをとんとんとんとん並べ立てると、中々大変なことがあります。この並べるのはやる場合意図してやったほうが無難です。

 知ってもらうべき事を伝えるとき効果的なのは、読者が「○○だろうか?」と考えた疑問に答え合わせするように情報をだすことです。一つの質問に回答一つの感覚でいくと、情報量が溢れ出すぎることはないかな、と思います。

 ただこれ、意識しすぎると固くなってしまうので……どうしても減らしたいときに意識して試してみる、くらいにしてみてくださいね。何度も言いますが自由に書くのが書きやすければそちらを優先してください。


 ちらりといいましたが情報を並べるときは、やるならひと段落とか文章の一部分でやったほうが無難かな、と思います。個人の意見ですよ!

 情報が多すぎると言いますが、場合によってはそれをうまく使って専門的なシーンや勢いを出すことがあります。

 例えばなにかの戦略会議。特殊な世界観で武器など設定が多い場合、その利用や効果について並べ立てることはある部分ではいい戦略だと思います。専門的な知識を怒涛の如く話させる。あんまり長いと大変になってしまいますが……読み飛ばしても問題なさそうだと判断させつつ、名称や効果だけを簡単に説明させるのです。

 映像作品とかだと文字を一括で表示して流し見させることができるんですが、文字だとどうしても作品の中に入り込んでしまい読むのに時間がかかってしまいます。なので段落などわかりやすく一部分でやったほうが、読者も流し見る感覚になれるかなあというのが雑感ですね。実際どの程度効果あるかはわかりませんが……。

 こういった情報がくどい、と言われる場合もあるでしょうが、特殊な世界観ですと逆に「これだよこれ!」と楽しむ要素になる場合があると思います。いたずらに情報を減らしすぎないで、自分の作品がどういうものか、作品にとって必要なことはなにか考えてほしいのはその為です。他の人は外側だけで言うことがあります。でも作品を作るのは、物語の核は内側です。自分も読み手も全員楽しまないのなら直すべきでしょうが、まず自分が楽しく、そして楽しいと読んで下さる人が満喫できるような演出を探してあげてください。


 他に説明過ぎるときに考えてほしいのは、それが今説明しないといけない事か、ですね。一つの質問に一つの答えですが、その質問がでてくるのは今なのかということと、疑問を積み重ねてそれに対する回答を示唆する要素を小出しにし、最後に答えはこれです、とやるのは所謂伏線を張った綺麗なストーリーだと思います。全部一気に出す必要はなく、答えを分割して少しずつ教えることもできます。


 ここまで話してなんですが、これらを全部考えながら書くのは非常に大変な気がします。自然と考えられる人は、そもそもあまり詰め込み過ぎで悩むことはないんじゃないでしょうか……。


 書いて完成させて読み返せば、上記のことを客観的に見て気づけることもあります。これらは全てしなければいけない事ではなく、貴方が楽しく書くために使えるツールの一つだと思って下さい。道具を使うために今作ってるものを捨ててしまうのは違うと思います。作り上げるために道具を使う。その順序だけは忘れないでくださいね。


 以上、素人の「こんな方法もあるよ」でした。とりとめもなくお話させていただきましたが、なにか手段が増えたら幸いです。


 ごちゃごちゃ言ってますけど、完成させた人は強いと思います。蛇口は捻るだけ捻るといいのです。アイディアはメモしましょう。きっと未来の自分の糧にもなりますから、ね。


(2016/12/23)

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