【不意打ち】

 羽音の背中まで近付いた音羽は、いきなり両手で抱きしめた。

「はのんちゃ~ん」

「きゃあっ!」

 作業に集中して音羽が戻ってきた事に気付かなかった羽音は、完全に不意打ちを食らって、悲鳴を上げた。

「なに見てるの~」

 そんな羽音を気にも留めず、音羽は妹を抱きしめながら聞いた。

「なにって……」

「わかった~」

 だが、羽音が口を開く前に、音羽は答えを当てようとする。

「えっちなサイト~、見てたんでしょう~?」

 そして、ほんわか笑顔を浮かべる。

 目尻がいつも以上に下がり、笑みがちょっとエロい。

「おとはじゃないんだから!」

 姉のPCには、エッチなサイトのブックマークやエロい画像を集めたフォルダーがあるのを知っていたので、半ギレで否定する羽音だった。

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