【いつもの流れ】

 残念そうな琴美の背後に、音羽はそっと近付いた。

「え~いっ~!」

 そして、背中から抱きしめた。

「ひやっ!」

 突然の事にびっくりした琴美が悲鳴を上げる。

「琴美ちゃんは~、そ~いうのが好きなんだ~?」

 お構いなしで、音羽は琴美の耳元に唇を近づけ囁く。

「今、履いてるのもそんな感じ~?」

 そうしながら音羽は琴美の下半身に手を伸ばすと、スカートの上から下腹の辺りを触った。

「う……うん…………」

 琴美は恥ずかしさに頬を赤く染めて身悶えながら、ぎこちなく頷く。

”ゴツン!”

 そこへ、羽音の怒りの拳が飛んだ。

「いっ~た~い~」

「セクハラ!」

 頭を手で押さえる音羽に、冷汗笑いをするしかない琴美だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る