【ブービートラップ?】

「……なんか企んでない?」

 琴美を口説く音羽に、羽音は濁った瞳で疑いの眼差しを向けた。

「えっ~? なんのこと~?」

 が、音羽は、わからないような表情で妹を見詰め返す。それで本当に何も考えていないと悟った羽音は、溜息をついてから心配そうに琴美を見た。

「琴美も、嫌なら、ちゃんと断った方が良いよ?」

「どうして?」

 しかし、話の見えない琴美は不思議そうに首を傾げるしかなかった。

「だって、これから行くお店……」

 目的地に到着した三人は、中に入るとエスカレーターで上の階へと上がった。連休中ということもあり、各階とも若い女性客で溢れかえっていた。

「そういう服の専門店だから」

 羽音が指を指した方を琴美が向くと、入り口や店内にフリルやリボンが沢山あしらわれた甘ロリ服が大量に飾ってある店が見えた。

「…………」

 その光景に、顔色を失う琴美だった。

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