すやすや吐息

 あんまり気持ちの良い夜だからバクの背中に乗って旅をする

 ねぇ、今まで食べた夢の話聞かせてよ

 虹の橋を渡って月の宮殿に遊びに行こうよ


 くるくるうずまき作っては空に模様を描いている

 魔法使いは昔なくした呪文を探してる

 お陰で空はなんだかすっかりアートです


 真夜中のネコの瞳は昼間より一層キレイで

 ああすべて見透かされてしまいそう

 うその言葉は透明に擦り切れていく


 耳をすませば空にステキな音符が踊ります

 星になった子供たちが歌います

 透き通って少し淋しい歌声です


 今は居なくなった動物たちが

 ここではのんびりしているよ

 みんな役目を終えてお茶を飲んでいるよ


 今宵もまた電車が走ります

 真夜中の夜の真ん中を

 誰も知らないみんなが寝静まった頃に


 新しく貰った翼はまだなれなくて

 たまにおっこっちゃったりするけれど

 ちゃんと見守っていくからね

 だから安心して眠っていてね


 バクはそろそろおねむの時間

 まぶしい朝の光と引き換えに

 きらびやかにまた今日が始まります

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る