第23話 神は乗り越えられる試練しか与えないというけれど。



シュウイッカイのタビが、いつの間にか終わってた。


「よし!リオ、またカワイイ顔に戻ったねー。」


そういって、ママがナデナデナデナデしてくれる。

相変わらずの抱っこもしてくれる。

僕のからだにかおをこすりつけてくる。


ウレシイな!


セドも、また元通りの、追っかけっこ仲間、

とろとろねんね仲間にもどった。


パパもママも、はじめのうちは、僕を見ながら、

いろいろ心配してくれてたみたい。


でもナニモナイ日が続いているうちに、

こんなことを言うようになったんだ。


「かかりつけの先生んとこ、行ってみたいよね。」

「行って、リオこんなに元気なんですよー!って自慢してきたいよね。」



そうなんだ。

僕、ゲンキになったんだ。

よかったぁ。


シュウイッカイのタビが終わってから、おくすりも飲まなくなって、

僕もなんだかイイキブンだし。


ただイイキブン、のはず、なんだけど・・・


僕は寝てることが、前よりも多くなった。

ママもパパも、もちろんモンクなんて言わないんだけど。


そういえば、パパもときどき、僕にわかるようなおはなしもするけど、

僕にはわからないムズカシイおはなしをする。


それはキカイのおはなしだったり、ぱそこんのおはなしだったり。


ママもいつもは僕がわかるおはなしをしてくれるけど、

やっぱり僕にはわからないことを言うときがある。


この時もそんな感じだった。


「よく神様は乗り越えられる試練しか与えないっていうけど。」


「それは私が信じてる神様じゃないよね。」


「私が信じてる神様は、私自身の中にいる神様だから。」



カミサマ。

なんのことだろう。


シンジテル、っていうのって、ちょっとだけ、

なんとなくワカッテルけど。


ママがシンジテルカミサマ、って、なんだろう。


僕はりょうほうの目で、ママを見てる。

じっと見てる。


カミサマ、ってのは、いろいろイルらしい、ってことは、

ママがよく言ってたことだ。


だけど、ワタシジシンノナカニイルカミサマ、って。


カミサマのことって、よくは知らないけど、

僕にとってのカミサマみたいなものって、パパとママとセドナなんだよ。


だいすきなんだよ!


カミサマって、そういうものじゃあないのかな?


僕はじっと見てるから。

僕の目にうつるけしきを。


りょうほうの目で、じっと。




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