第5話 せんせい!なにするの!?
「もうそろそろ行かないとね、お医者さん。」
とつぜんままが言ったんだ。
「このままだと、ふたりの間に子供できちゃうしね・・・」
ままがまた言ったの。
こどもって、なんだろう?
ぼくはまいにち、せどなとじゃれあって、けんかもするし、
でも大好きだから、ぺろぺろなめてあげたいし。
「じゃあ今度の休みに連れてこうか?」
「そうだね・・・できる時期になったら、早いほうが、個人的にね。」
「これは人間のエゴだって、わかってるけど、どうしてもね。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ぼくとせどは、ふたりできょとん。
まぁいいや、またふたりでとろとろおひるね。
でも、そのときはやってきたんだ。
ふたりでなにかに押し込められて、ぼくたちは運ばれてった。
ままとぱぱは、あたりをきょろきょろみまわして、
だーーーっと走って、またがったんごっとんゆられてった。
ついたさきは・・・「せんせい」っていうのがいるあそこ!
やだよ!やだやだ!やめてー!
せどといっしょにじたばたじたばた。
「それでは午前中でリオちゃんセドナちゃんの手術終わりますので。」
「お迎えは午後のこの時間くらいに来てくださいね。」
「はい、よろしくお願いします。」
そういって、ぱぱとままは、とくにままはおろおろしんぱいそうに、
ぼくたちを置いてった・・・。
なんで、まま!
ぼくなにもしてないよ!
なんで、ぱぱ!
なんでおいていっちゃうの?
ぼくとせどは、ふたりでびくびくしてた。
そうしたら、まっしろなひとがきた。
やだよ、うちにかえして。
ぼくたちのいえにかえして!
「リオちゃん、セドナちゃん、おっきくなったねぇ~!」
なにもこわくないからね、って言って、ちょっとちくってされると、
なんだかねむくなって、それからずーーーっとぼくとせどは、
眠ってたみたい。
とろとろして目が覚めると、もうふたりでいっしょのハコに入れられてた。
なんか、へん。
どこか、へん。
ままとぱぱもきてて、ままはたってって、しろいひととお話をしてて。
「どうもありがとうございました。」
「ごくまれに、違和感があって、舐めたりしちゃうコもいるんです。」
「もし緊急事態の場合、連絡してくださいね。」
「はい、わかりました。お世話様でした。」
「まあ、室内だけど、こればっかりはね。」
「前いたコは、去勢してもスプレーはやめなかったなぁ。」
まま、まだぼくぼんやりしてるけど、ままのこと覚えてるよ。
忘れてないよ。
またおうちに帰れるんだよね?
「あたりまえじゃない!ままとぱぱが来てくれたんだから!」
やっぱりぼくと同じように、少しぼーーっとしてるけど、
せどが当然よね、っていう感じでそんなことを言った。
ああ、よかった。
またおうちへかえって、おいしいごはんたべて、
せどとおっかけっこして、ねむいときにねむれるんだ、
これからもずっと。
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