私立漢ヶ丘高等学校の文化祭

黒煙

第1話 祭りの準備

 ここは都内にある有数の男子校。私立漢ヶ丘(おとこがおか)高等学校である。

今日は翌日の文化祭に備え、暑苦しい漢達が明日の出し物について会議を開いているところであった。

———弐年参組。

「明日は宴じゃあ!貴様ら何か出し物考えんかい!」

声を荒げているのは弐年参組番長の油風呂野 斗賀志(あぶらぶろの とがし)。

「じゃかあしい!こっちは忙しいんじゃあ!」

麻雀をしながらそう喝を入れるのは弐年参組裏番長の邪鬼狭 剛(じゃきさま つよし)だ。

「ええい!話にならん!中嶋!貴様何かいいこと言わんかい!」

無茶振りをされたのは学級委員長の中嶋 細死(なかじま ほそし)。ノートパソコンを高速で叩いて調べている。

「はい。えー、過去のデータによりますと人気を得やすい出し物はたこ焼き屋、お化け屋敷、それから・・」

「じゃかましい!!」

ドッカーーーーーーーン!!斗賀志にブン殴られた中嶋は後ろの壁まで吹っ飛んだ。

「貴様はいつも話が長いんじゃああああ!」

そこへ弐年参組副番長のオクトパス・松尾たちが口を挟む。

「まあ漢らしくて何か食えるもんがええのお」

「そうじゃのう。金も稼げるしワシらも腹ごしらえができるし一石二鳥じゃのう」

「よっしゃ、じゃあ貴様ら案を出せ!」

「ワシは焼きそばが好きじゃのう」

「ワシも」「ワシもじゃ」

「よっしゃ!じゃあ決まりじゃ!」

斗賀志は言った。

「チョコバナナじゃあ!チョコバナナで決まりじゃあ!やっぱり漢はチョコバナナじゃあ!!!」

「ほう、さすが斗賀志じゃ。ええこと言うのう」

「チョコバナナじゃ!」「おう!チョコバナナじゃのう!」

こうして明日の出し物が決定した。

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