第14話 謁見の日
あれから何日か経って、人々も俺になれ始めた頃、俺は王都にアイリスを連れてきていた。アイリスは大分楽しそうにしていたな。
その時だ。俺のマスマホに連絡が入って来た。―――マロンだ。
「もしもし?」
『日程が決まった。明日だから。』
「ん、分かった。なんか持ってった方がいいかね?」
『なら、これ。国王が興味津々。』
これじゃどれだか分かんねーよ。察せってか。
「おっけ、じゃあ…」
『ついでに剣の流星にも連絡しといて。』
お前がしろよちょロリ駄エルフ。
「任されよう。じゃ、切るぞ。」
剣の流星…普通にエイバルでいいや。
「誰から?」
「ギルドマスターからさ。謁見の日が決まったって。」
「…ねぇ。」
「なんだ?」
「着いてって、いい?」
こっちのロリもなんか言い出した。
「別にいいけど…何でまた。」
「えっ…国王様に会うなんて体験普通ないから?」
「ふぅん…」
なんか隠してるな。まさかフラグ回収か…?
特にこれと言ったこともなく、当日の朝にブラブラしつつ王城前に着いたら、剣の流星も誰も来てなかった―――剣の流星が来ていないのは夜明け前から1人で出たからだ―――ので、仕方ないから誰か来てないか門兵に聞いたところ―――
「ぬ、お前が噂の話すゴブリンか?残念だが誰も来ていない。しばらく待てばマロン様が来るだろう」
―――との事。仕方ないのでリンちゃんにLINEもどき。
『起きてるー?俺もう王城なんだけど』
『やっぱり!いまだ皆さん眠そうに、というか寝てるんですよ!今引っ張っていきます!』
もう6時だぞ…!?遅すぎやしないか!?
『あーもー男の部屋に入りたくないー!』
愚痴んな。
『面倒だから今行くよ』
『来なくていいですカオス度が増します』
…お疲れさん。俺は画面をそっ閉じし、パズ〇ラをして暇を潰すことにした。
5分ほどでマロンが来、更に30分ほど後剣の流星が来た。
「ふぁ…ふ」
「疲れた…」
「お疲れさまだよ…」
リンちゃんは誇ってもいいと思う。
「おお、マロン様、…ということは貴方ですか、ゴブリンの謁見希望者は。どうぞこちらへ」
「むっ…宜しくお願いします。」
あの大臣、俺を見た時顔を顰めた。理由は俺にしかわからんだろうが。恐らくみんなにはゴブリンにトラウマか何かを抱えてると見えるだろう。せめて顔作れよ。
暫くして、王城謁見の間前まで来た。
今更ながら面子は、俺、アイリス、マロン、エイバル、ガロンド、リリア、リンちゃんだ。
謁見、と言うよりは国の重鎮と合うのが結構久しぶりだから柄になく緊張する。
アイリスが来たのはこっちにとってもよかった。
「皆さん、こちらでございます。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます