僕が、いかにしてそれを起動させることになったか。

 僕は、当然ながら、このことをずーっと秘密にしてた。当たり前だ。こんなこと喋る馬鹿はいないだろう。

 でも、こんな秘密、隠しとくほうが無理ってもんだ。計画が順調に行けば行くほど、僕は、文字通り調子に乗っていってたわけだし。

 友達がいないわけでもないし、といっても、本当の友達かというとビミョーだけど。知り合いか友達かってビミョーだ。多分、いろんなことを分かち合えるかってことがキーになると思う。苦しみや成功や喜びや悲しみや、etc、。

 となるとやっぱり友達じゃないな、、知り合いかな。

 普段は友達として付き合ってるけど、不良連中に僕が絡まれてるときは、一切助けてもらえなかったからな、、。

 しかし、この真逆の立場に僕と童謡にイケてない友人たちが陥っている場合、僕は恐ろしいほど冷酷に彼らを見捨てた。みんな自分のことで精一杯。自分に降るかかる火の粉を払うので精一杯なのだ。

 ダメだ、これ書くだけでオチる、、。


 絡まれてるってのが、正確な表現だと思う。完全にクラス全員にいじめられているいわけでもないし、だけどいじられてるって程度ではない。

 だけど、やられているってことには違いないから。

 不良連中のトップにやられているならしょうがない気もするんだけど、この理屈わかってもらえないと思うけど、、、。

 不良連中の中にもヒエラルキーがあって、大体、僕が絡まれるのって、不良の中でも

下のほう不良のやつになる。

 この事実が、またなんか、Wパンチでオチるんだよね、、。

 ただ、そうというひどいこともされたことも事実で、僕を狙ってたのは田崎ってやつなんだけど、下痢してトイレの個室に居る時、しかも用心して教職用のトイレ使っていたのに、思いっきり、個室の上からバケツの水をかけられたし、習字の墨を頭にかけられたこともある。しかし、どちらも、その後学校居続け授業を受け続けた。

 話がそれちゃったけど、要は、このことを実行する前にちょこっと匂わす程度の情報を誰かに流したいってことなのよ、

 それで、僕がこのBOKUで事に及んだ時にあぁ、、あの時の、、あれってなって欲しいわけ。

 それで、僕は、一人の同級生に話すことにした。

 実は、僕の同性の友人たちは僕がいつも不良連中に絡まれている時に自分に類が及ばないように知らんぷりしてたけど、一人の女子がなぜか知らないけど、ある時、一度だけだけど、その不良にあんたらサイテーって言ったのだ。

 別に僕に恋心を持っていたからというより、単純に正義感から言っている感じだったけど。

 でも、僕の心はキュンキュンなったわけ。でも、恋心かというとちょっと違うかもしれないな。悪いけど好きって感じではないのね。それともう一つ残念なのは、その子そんなにかわいいわけではないってところも。胸も小さいかな、、。これ読んでる女子の人は気をつけたほうがいいよ、男子ってどんなときでもそういうとチェックしてるから。まぁ、男女お互い様だと思うけど、、。

 全く、サイテーなことだけど。


 僕は、その同級生の女子、どうせ、名前なんてこれ読んでる人確認できないんだから、テキトーに思ってくれたらいいんだけど、一応、、まりえちゃん。キャー本名だよ。

 どの程度話すかもめっちゃ悩んだんだよね。

 言って、そのまま携帯で警察に通報とかなっても困るしね。

 結局、ちょこっと話して、BOKUでボコリに行く時にちょっと挨拶するってことで落ち着いた。

 やっぱ僕って、根性とかねぇな。


 まりえちゃんには、事前に言ったのは、掃除当番が一緒だたときにちょこっと、でもねぇこれ大失敗だったわけ。

 結構オチました。半径3mが限界だわ、マジで。というか、女子ってこういうのセンサーの感度良すぎ。まりえちゃんに近づきかけた途端いきなり

「なに?」だから。アフリカの草食動物でもここまで不断から警戒してないはずだ。

 ダメだ。でも、僕がこのことためにどれだけの努力をしてきたか思い出し、精神パワーの超注入してTryした。

 まさに、BOKU製作で行き詰ったときに聞こえたあの音。

 ダダンダン、ダダン♪。

「すごい事おきるから」

 あのときのまりえちゃんのものすごい冷めた目今でも思い出せるな、、。完全にこっちの存在を無視してるというか、違う世界とか違う次元の生き物の考えをいきなり聞かされたみたいな目でもあるし、地球七週半しても僕とは関係ないみたいな、、。

 あとで、気づいたんだけど、この目ってこのあと県警での取り調べで散々受けるだよね。

 これも、僕が、下の方の不良連中にイジられてるからだと思うと また歪んだやる気が

むくむくおきるわけ。

 まぁ、基本、僕は、客観的に見れば社会の敵のテロリストなんだから、これで良いだと思います。


 本当は、色々テストしたかったんだけど、一切できませんでした、ロケット打ち上げみたいなもんで、一回動き出したら、もう帰れないわけですから、、。

 一応、制御のサポートにお兄ちゃんのお古PCを使ってるから、それを実動源にグリップしてない状態で、テストは何度も繰り返してますが、実際に動かすとなるとやっぱり違うのよね、。

 この辺の具体的なことも本当は、書いちゃいけないんで省きますが、

決行の日は、穏やかな夜でした。月齢とかよく知らないけど、最初は、晴れてたんだよね。

ものすごい鋭い三日月が出ていました。あとは、色々大変なので、あまり覚えていません。

 というのも、家で戦うんだよ。家には、家族が住んでることは、尊重して、認めるって前書いたでしょ。

 つまり、家族を乗せたまま戦うわけです。でも、できれば、寝てて欲しいので、ストレスフルな仕事をしてて心療内科で眠剤を少し貰ってる親父の処方薬を使わせてもらいました。

 家って、そんなに裕福じゃないんで、水道水でどかーん沸かした、超巨大なやかんに麦茶のパックとか烏龍茶のパックとか入れて、それを家族みんなで仲良く飲んでいます。

 ここに、眠剤をいれとけば、みんな爆睡するかな、、と。

 これも、警察によれば、犯罪にあたるそうなんだよね。一番差し障りなくやってるつもりでしたって言ったけど、例の地球七週半の目だよ。

 眠剤の量はね、間違ったかもしれない、、、。だって、難しいんだよ、5人で、僕はあんまり飲まないようにして、4人でばあちゃんとかメッちゃ飲むときもあるし、、一応ちょっと多めにしておきました。ごめんね家族のみんな、、でも死ぬ量じゃないから、安心してね。


 僕は、ハラハラドキドキでしたが、夜としては、めっちゃ静かな夜でした。兄ちゃんが性悪女に呼ばれて遅く出かけたらどうしようって思ってたけど、自分の部屋の小さなテレビ観ながら寝てました。家族のみんな11時前から眠い、眠いって言ってて、ばあちゃんなんか床の間でうつらうつらしてて僕が、担いで布団まで運びました。


 そして、、、僕は、待ちました、待ちました。家族全員が寝ることを。近所のみなさんが気づくのは、ある程度やむを得ないって思っていたけど、待ちました、近隣の住民の方が寝ることを。

 

 みなさん、おやすみなさい。そして、僕は、闘いにいきます。アンチクショウをボコリに行きます、このBOKUで。


 まず、下ごしらえ、庭に高圧用電気ケーブルを用意します。ホームセンターで買いました。これ何メートルようだったけ?。一様絶縁手袋で作業します。ビリビリなると困るから。

 そして家に入り、自分の部屋に向かう。家族はみんな寝ていてとても静か。お茶をいっぱい飲みかけて、やめた。危うくぼくも家族とともにグーグー眠っちゃうところだ。普通の水道水を飲みました。そして自分の部屋へ、勉強机に座り、PCモニターを目の前にでーんと置く。そしてPCにヘッドホンのコードを刺し、ヘッドホン着用。大きく深呼吸。いよいよだ。

 第一段階は、家につながる各配管の自動バイパス切り替えです。

実は、ここで、失敗しました。

 というか、逆にこんなに深夜が静かだってことに気付いていませんでした。

 水道管もガス管も漏れたら大変だってんで、すんごい頑丈なので、、。

 自動バイパス装置が油圧で動くんですが、ボコンってものすごい音立てたときはこりゃダメだって思いました。

 ところが、誰も、起きないし、近所の電灯点灯チェックしたのですが、つかない。

 これは、いけるぞ、と。

 僕は、小学生から使ってる学習机に備え付けてある椅子をクルクル回し、サブモニターとしてお古PCのモニターをにらみつけ、両手でプレステのコントローラーを握って、いよいよ最終段階に入りました、とか、演ってるわけ。BOKU起動そして離床!!、と。

 音はしないんだけど、ものすごい振動が我が家を襲います。どどどどどど、と。

なんせ、二本足で我が家まるごと支えて立ち上がるんだから、、、。

 ゆっくりですが、視点が上がってます。家そのものが2メートルぐらいあがるってあんまり実感出来ないってことも予想外でした。飛行機の操縦じゃないけど、比較対象が合って、人間って自分の位置を確認するんですね。

 気がついたら、BOKU立ってました。手は目立つから、本当に必要になるまで出さない予定だったんだけど、調子に乗った僕は、手も家の両壁から出しました。BOKU立脚ならびに、両腕展開。心のなかでは、シャキーンって言ってる。

 僕の部屋の窓からは、腕の展開が見えないので、よくわかりませんが、サブ&計器モニのPCのモニターはめっちゃ忙しいことになっている。

 なにせ、全アクチュエーターの管理をしてくれてるんだから。

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