来臨のゼトライヱ

東京輔

プロローグ

プロローグ

遠い遠い銀河の彼方

幾星霜を経て僕は見つけた

希望に満ちた蒼い星

枯れることのないゼトライヱ

そして君と出逢った


夢のような時間だったよ

抱かれたままでいたいほど

空に揺蕩う雲のように

輪廻の向こうに灯火があったのなら……


不思議だね

僕らの間は空っぽだ

喜びも悲しみもない

けれど僕は覚えている

きっとその空っぽが僕らを満たしていることを


気づいているかい?

その温かみが君のゼトライヱ

忘却の岸辺に浮かぶ

僕らの母を紡ぐ意志


全ては君の中にある

迷いも、そして決意もやがて

ひとつのリアルに導かれる


――なんてね


迷わせるつもりはないよ

自分自身を信じてあげて

正しいも悪いも

宇宙にとってはちっぽけなものだから

君の好きにするといい


平気だよ

泣いてなんかない

ただ やっとわかった気がするんだ

僕らが巡り逢えたのは偶然じゃないって


ゼトライヱもこの蒼い星に惹かれたんだろうって

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