エスケープ・ガール

東城 クルトン

第1話ハッキング少女

時は22XX年、世界の技術が発展し、機械化革命が始まっている真っ只中、

犯罪行為が多発していた。

ある日を境に、私の人生は色を変えた……


人生観、価値観その他諸々なにもかもが一気に

変わるくらい、

それくらい衝撃的な体験だ……

神様なんてやっぱり、この世にいないのかもしれない、あくまで人間の想像上のものなのだろう。


あんなことするんじゃなかったな……

もう過去は取り消せないよね。

──あの時の自分を殴ってやりたい!


……キーンコーン、カーンコーン……

授業終わりのチャイムが鳴り響く、どうやら私は寝てしまったようだ……

隣を見ると、親友の留学生ユリア・セフィシアが目を爛々とさせながらこちらを見ている。

「ねぇ!ねぇってば!まひろ!放課後どこかで

遊ぼうよっ!」

元気なやつだ。私の名前は平 まひろ、白河都市の南方に位置する白河学園に通う高校二年生。私達が通うここ、白河学園の敷地面積は簡単に表すと東京ドーム一個分くらいかな?

校舎と設備が最新型でめちゃくちゃ偏差値が高かったので入るのに苦労した。

授業も最先端になっており、生徒一人一つずつPCが与えられ、PCを使いながら授業を進めている。

客観的にみて自分はどんなやつかというと……地味で暗い女の子かな?

ユリアとは対照的だ。

いつも他人に壁を作っていたけど、ユリアとだけはとあるきっかけで仲良しになった。

「ユリア、6限目終わったばっかりなのに元気だね。ごめん、今日は用事あるからさ。」

「えー、残念!じゃあまた今度あそべるときねっ!」

今日は本当にやりたいことがある今回ばかりは譲れない、ネットカフェに出陣するんだ!

授業が終わり、担任が教室に戻ってきたと思ったら担任が教壇に立ち、話し始めた──何事?

「皆さん!聞いてください!これから緊急集会を行います!

今日の掃除はカットします、迅速に白河ホールへと向かってください!」

白河学園では白河ホールで集会が行われる。自動で出てくる椅子、モニター、照明、音響機器、など

全てが最新の設備であり屋内プールもある。

私は自動で出てくる椅子を入学し初めて見たとき、

感動で言葉が出てこなかった。

床から自動で全校生徒分の椅子が出てくることに驚いた。

廊下を歩いてる途中金髪のチャラ男がジロジロこちらを見ていたが、気にしたら負けだ。

全校生徒が一斉にホールに集まり私は椅子に座って、校長先生の話に耳を傾けた──

「えー皆様、お集まりいただき誠にありがとうございます。

えーなぜ緊急集会が開かれたかというと、我が校に不審な人物が侵入した情報が入ってきており、我が校の大事な書類が盗まれました、書類の内容は言えませんが、

くれぐれもお気をつけ下さい。

また、目撃者がいましたら、直ちに緊急連絡委員会にお知らせください。私からは以上です」

大変なことになったな。

というか私、その不審な人物より大事な書類の方が気になって仕方ないんだけど!?白河学園の秘密でも書いてあるのかな──


ホームルームも終わり、私たちは校門の前にいた。

「最近物騒になってきたよね〜!まひろ気をつけなね!」

「うん。わかった。それじゃあね〜。」

ユリアと校門で別れたあと、真っ先に小走りでネットカフェへ向かった。

今からネカフェでなにをするのかというと──変わった趣味なので絶対に人にばれたくないが──パソコンで裏情報を探りにいくのだ。

都市伝説や裏情報を知るのが大好きなのだ!

もう少し!ネカフェの看板が見えてきた。

しかし、もうすぐで着こうとしていたときに邪魔が入った。

「あれ?ここでなにしてらっしゃるんですかい?お嬢さん〜。」

うわ、廊下でジロジロ見てきたうざい奴きた。こいつはクラスメイトの森岡次郎、通称ジローだ。

金髪のショートカットでとにかくチャラい奴。常日頃私にちょっかいを出してくる。

というか、なんでここにいるの?先回りされたの?

怖いんですけど。

「奇遇ですね〜あれ?もしかしてネカフェに入ろうとしてたんですか?俺も一緒なんですよ!」

めんどくさい、どうしよう。

「うん。そうだけど?だったら何?」

「まひろちゃん、もしよかったら一緒に入らない?って言おうと思ってたんだけど、迷惑かなぁ?」

まひろちゃんってなによ、ここで断ったら学校で面倒くさいことになりそうだな。

こいつ顔だけはいいから学園内で結構モテるらしい。

コミュ力もあるし、あることないこと言われてしまうかも。仕方ないか──

「好きにすれば?」

「えっいいのかい!?やったやった!ネカフェ代俺が払うよ!」

「いいわ。自分で払う。」

カウンターで受付をしてもらい、

指定されたブースに入った。

店員さんが受付時、ニヤニヤしていたのは気のせいだろうか?

カップルだと誤解されたのだろうか?

「というか……なんで2人で入るの?」

「まぁまぁいいじゃないか!それよりネカフェで何をするのかい?」

「別になんでもいいでしょ。漫画でも読んでてよ。」

いきなり2人きりになるとかどこのラブコメだ!

2人で入って今頃気づいたけど、パソコンの画面見られたら私の趣味ばれちゃうじゃない!

あ〜どうしよう!

「あ、じゃあ俺適当に漫画取ってくるから。」

チャンス!

「あ、うん。」

私は自称ハッカーだ。この前は間に合わず、情報にたどり着けなかったけど、今度は大丈夫。

今までどれだけハッキングしてきたと思ってるの。

「えーと、この前きたときは〜あった!たしかこのサイトだ!」

ちなみにタイトルは『世界の裏情報 サラブレット編』

だ。この前目を通してなかった注意事項一応読んでおこう。なになに?

(この機密情報を知ってしまったら最後あなたの命は保証できないかもしれません。

自己責任でお願いいたします。by 管理人)

ヤバイどきどきしてきた!こういうのって興奮するよね!

私は目にも留まらぬ速さで、キーボードを叩いた。

ミスタッチひとつ許されない、至難の技だ。

「あとこのページのロックを外せれば!」

……ぴこん。エンターキーを押すとロック解除らしき音が聞こえた。

「やった、これで機密情報がわかる!

なになに?スペースコロニー移住化計画?

地球を爆破し、私達、テロリスト集団『サラブレット』のみ

地球を脱出し、スペースコロニーにて住まう。

憎き愚民共を無差別殺人するわけだ。

私達は秘密裏にこの計画を進めていく、

誰にも知られてはいけない。

もし知られた

あかつきにはこの情報を持っている者を抹殺する。──ってうそ!?」

サラブレットって、馬?そんなことより知ってはいけないことを知ってしまった気がする!やばいやばい!あいつが帰ってくる前に──

「ただいま〜ってなに固まってるんだい?

すごい顔になってるけど……パソコンでなにをしてるんだい?

……不気味な画面だね。ちょっと見せてよ。」

タイミングが悪すぎる、この画面を閉じる前にジローが来てしまった。

私は声が出ず、体が動かなかった、手で口を押さえながら必死に首を横に振った──

「なになに?うんうん、ごめん全部見ちゃった……つまりこれ──でたらめでしょ?俺たち死ぬのかい?(笑)」

見られてしまった。

しかしこの内容かなり胡散臭いが、もし本当だったら私達は確実にここで死ぬ。

そう思っていたら、外が騒がしくなっていた。

「おい!お前たち誰だ!勝手に入るんじゃない!」

店員が怒鳴っていた、その刹那──ブースのカーテンが開けられ黒いローブに身を包んだ者たちが一斉に押し寄せてきた!

「お前らにはここで眠ってもらう!大人しくしていれば殺しはしない!抵抗したらどうなるかわかってるな!?」

言われるがままに私達は……抵抗はしなかった。

頭の上に手をかざされた途端、

意識を失ってしまった──


「おい!起きろって!おい!」

「ん〜むにゃむにゃ〜もう少し寝させて……って、えっ!だれ!?」

目を覚ましたら、そこは暗闇だった。

車が走る音ががんがん聞こえてくる。

「俺だよ!ジローだよ!

どうやら俺たち……トラックの積荷の中に閉じ込められたようじゃん。殺されなかっただけマシかね。」

「う、うん……そうだね──」

30分くらい経ったのだろうか?唐突の出来事にまだ

私は現実を受け入れられられず、

2人の間には沈黙が訪れていた。

私のせいでジローが巻き込まれてしまったで、申し訳なくなってきた。

気まずい静寂をジローが打ち破った。

「この後俺たちどうなるんだろうな?(笑)」

「わかんない……あのさ、ごめんね?

私のせいで。」

私についてきたジローにも責任はあるが、

元はと言えば私が断っていればよかった話だ。

「いいんだよ。あんま気にすんなって!それよりさ、なんで一緒にネカフェ入ってくれたんだい?普通は断るだろうに。」

「……なんとなく。」

「なんとなくってなんだよ、変なの。(笑)」

あそこで断っていたら、

学校でジローが今日断られたことをクラスメイトに言いふらし、

私は付き合いの悪い最低なやつというレッテルを貼られ、

あることないこと言われる……。

という面倒くさいことになるかもしれないと被害妄想していた。

なんて言えるわけない。

私って心から人を信用していないんことが今日改めてわかった。

しかし、よくよく考えてみたら、いきなり2人きりでネカフェに入ろうと誘ってくる方がおかしな話じゃないか?え?まってもしかして私のこと──

「なに、考えてるんだい?いきなり黙り込んでさ。」

「えええ、別に違うの!!ちょっと気になることがあって、なんでその……私のことネカフェに誘ってくれたのかなって。」

「あぁそれね。恥ずかしくてあんまり言いたくないけど、俺実はさ、アニメが好きなんだけど、それに出てくる地味な女の子のキャラにまひろちゃんがそこはかとなく似てるんだよ!

それで気になっちゃってさ……。」

「なにそれ、い、意味わかんないんだけど!!」

なにそれ、ばかじゃないの?うん、ばかよばか。

というかすごく意外だ、見た目に反してアニメが好きとは……

全然そういう風に見えなかった──

車のエンジン音がとまった。

「ま、まあそれはいいじゃないか!それより

車が停まったみたいじゃん!」

「そ、そうだね!ここ、どこだろう……。」

外から足音が聞こえてくる……

すると、ずっしりと重い音がした後扉が開かれた。

「お前ら、でてきていいぞ、絶対騒ぐなよ?」

黒いローブをまとった男がこっちへ来いと

手招きをした、私たちはどこへ連れて行かれる

のだろうか──











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