第26話 風に挑む

こんな風の強い日にキミは外へ駆け出し

壊せるなら壊してしまえって叩きつけた

暴れる髪もひるがえる裾も気にせずに

ただ正面から吹きつける風と向き合っていた

冷たい空気に頬は鋭く傷つけられて

血がにじむほど唇は噛みしめられているけれど

視線だけは風に揺るがされることなく

まっすぐ前を見つめたままで挑んでいる

胸の奥に燃えたぎる意志があるから

目の前が暗くても怯える必要はない

その先にたどり着くとただひたすら信じるから

キミの足取りはいつも迷いがない

こんな風の強い日にキミは外へ駆け出し

闘うべき敵が見えたってほほえんだ

恐怖心も心細さも飲み込んで

ただ正面から吹きつける風と向き合っていた

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