第24話 こぼれ落ちたもの
てのひらからこぼれ落ちたものは
かつてとても暖かかったモノの残骸
どんなに必死にかき集めてみても
風に飛ばされ消えていく
この心はきっと狂っているんだろう
哀しいニュースに泣くことすらできなくて
取り戻せないものが多すぎると
冷めきった目でいびつに笑う
祈りは確かに届くのだと
信じるにはあまりに多くを失って
追いかければいつか追いつけると
願うには絶望を知りすぎた
もうどうしたって独りなのに
時はまだ奪っていくから
こんな風にさらされながら
ぎゅっと身を固くする
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