ホームレス転生 ~異世界で自由すぎる自給自足生活~

徳川レモン

第一章 魔導士エルフとホームレス

 プロローグ


 ベッドで横たわる女性が、うっすらと眼を開いてほほ笑む。

 そんな様子を見て、青年は女性の手を握り締めた。

 

 懸命に笑顔を見せるが、強張った顔は感情を隠し切れない。

 いつしか涙がこぼれ青年は唇をかみしめる。


「母さん…………もういいんだよ。あとは僕が何とかするから」

「……さんに……なさい……って……」

「うん、ちゃんと伝える」


 女性は安心したように眼を閉じると、それっきり目覚めることはなかった。


 青年は嗚咽を漏らすと、女性の手を握ったまま激しく泣き叫んだ。





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