奴隷生活
桜人
第1話
彼女は立っていた。
この辺りの建物では一番高い、僕の通う高校の屋上に。柵に手をつき、日没前の薄暗い空を眺めるように見ていた。
耳を澄ますと、下から声の揃った運動部のかけ声が聞こえてくる。顔を上げると、夕日が僕の顔を照らしながら沈んでいくのが見える。
「?」
彼女は僕に気づいたのか、ゆっくりとこちらを振り向く。長髪が揺れ、学校指定のスカートが遠心力により少し持ち上がる。
そして、彼女の顔が見えるかという角度まで回転し、素顔が見え・・・
その時だった。
「え?」
ドサッ
急に目の前が暗くなり、僕はそのまま倒れた。
**********
そして意識が戻った最初、視界に写ったのは、日が沈んで夜になったと思われる真っ暗な空と、
「お目覚め?初めまして。私はあなたの主、黒木凛です。私のために明日からバリバリ働いてもらう予定だから、そのつもりでよろしく。」
朗らかな笑顔と凛とした声で、何だかよく分からないことを言う、さっきの彼女、黒木さんだった。
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