(2)入れ替わった支持基盤


ややこしいのが、民主党、共和党の歴史的に習った支持基盤が、入れ替わってしまったことである。民主党は南部で、農業者を基盤として、奴隷制賛成の党で人種差別的な保守。共和党は北部で、都市商工業者を基盤として、奴隷制反対で人種に寛容なそんなイメージや知識であった。それが共和党は南部に強く、民主党は東部や西海岸に強い。都市部に強いのが民主党でリベラル。共和党は保守。


この様な逆転が起きたのが、ルーズベルトのニューディール政策で、民主党が労働組合、リベラル中間層、宗教的、民族的あるいは人種的マイノリティを取り込んだことで都市部に強くなって勢力を回復したことであある。


ケネディ政権において、民主党は公民権運動に理解を示し、ジョンソン政権下で公民権法が成立する。南部保守層はこれに反発し離反した。ここに入り込んだのが共和党であった。黒人層は共和党から民主党支持になった。


民主党がリベラル化し共和党が保守化した。アメリカ政治はなんともドラスティックなのだろうか!それにしても、アメリカの人種問題は根が深い。しかしそれらを克服しょうとする中にこの国の強さがあるように思う。

今回の大統領選でも、民主党のクリントンは南部州に強く、有色人種系に強い。サンダースは白人系の北部州に強い。同じ党内でも南北は存在するのである。


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