六振目 ハバキも種類があるので

 外見としては、刀身と鍔の間に存在する金属部分をハバキ、(漢字としては、ひと文字にて「金示且」)と呼びます。

 ハバキの中の段差に刀身のまち部分が載っかり、そして柄の中で目釘によって固定されています。なお鍔との間には切羽と呼ばれる薄板が挟まれています。

 刀剣が展示されている場合は装着された状態となっており、このハバキも鑑賞のポイントなのですが……刀身のまちと呼ばれる茎との境目が見えないため邪魔ではあります。

 最近はハバキを外し下に置いた展示が多くなってきたのでありがたいです。


 材質としては、

  木:木のアクが刀身に付着し壊れやすい。滅多に見ない。

  銅:触って放置すると指紋の痕が残る。油で変色する。緑青が出たりする。

  鉄:硬すぎるため刀身に傷を与えてしまう。

  銀:柔らかみがあって刀身に良い。黒ずむが、刀身には影響しない。

  金着せ:一般的で見た目美しく高級感がある。銅の上に金が着せられる。

  金無垢:ずっしりと重く高い。24Kでは柔らかすぎるので18K。

 上記になっており、概ね金着せのハバキが多いです。位の高い刀剣の場合は、当然ながら金無垢となり細工も念入り。金相場にも左右されますが、金無垢ハバキ一つで十万円といった具合になります。

 形状や表面の模様細工により名称がありますが、省略。


 一枚の金属状態の一重ハバキ、二つが重なった二重ハバキとがあります。昔は古刀に二重ハバキ、新刀に一重ハバキといったルールもあったようですが、今はあまり関係ありません。

 なお、大雑把に出したハバキの重量と比重(かなり粗々な計算による)です。

  金無垢二重 35g~37g 14.9~15.02 

  金着せ一重 24g~30g 7.44~8.64

  金着せ二重 24g~29g 10.51~11.43

 18Kの比重15.3、銀の比重11、銅の比重9といった点から考えますと、妥当な感じでしょうか? (金着せ二重は重なり部分の計算が適当なので)


追記

 二重ハバキの外側だけ金無垢で内側は金着せという場合もある。

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