異世界に迷い込んだ一般市民

大介丸

第1話







 自宅近くのコンビニ帰りに、彼はに気付いた。

「これはなんだ?」

 付近一体を乳白色の薄霧が漂い始めたため、彼は一旦脚を止め、辺りを見渡す。

「なんで霧が?」

 彼は頸を傾げた。

 コンビニに向かう途中では、まったく霧が発生するような様子でも状況でも

 なかった。

 彼はただ困惑しながらも、彼は少し急ぎ足で自宅に戻ろうと歩き出す。

 幾ら考えても答えは見つからないためだ。






 だが、幾らか進まないうちに視界不能なほどの深い霧が付近を覆い隠していく。

「なんだよ、これだと進めないじゃないか」

 彼は不機嫌な声で呟きながら、慎重に歩いていく。

「?」

 彼は突然脚を止めて、鼻を動かす。

「なんだこの臭い?」

 ほんの一瞬だけ、女性がつけている様な

 それと同時に、視界不能なほどの深い霧がゆっくりと晴れ始めてきた。



 彼は少しほっとした表情を浮かべながら歩き出そうとして、再び脚を止める。

「(あれ?、いつの間にか道を間違えたか?)」

 彼の視線の先は、地面に向かっていた。

 その地面は、先ほど彼が歩いていたアスファルトの道路ではなく、

 霧が晴れて周囲がはっきりしだすと、彼は愕然として持っていたコンビニ袋を

 地面に落とす。

――――」

 霧が晴れると、周囲の景色は

?」

 彼は絞り出す様に呟く。

 周囲の景色は、どういうわけか






『ヘーメルナ大陸東部自由都市ヘーリラト・連合警備隊支部所属・   任務ティーム『デーメト』



 ヘーメルナ大陸東部にある『最高危険区域』に指定されているにて   冒険者パーティのに付いていた。

 人数は、6人編成。


 6人とも連が支給配備している黒のボディー

 アーマーを着用していた。

 頭部、顔面、頸部を保護するため、目出し帽とフリッツヘルメットを被って

 いる。

 それゆえに素顔は判別できない。

 ヘルメットには、マイクとヘッドホンが内臓され、ボディーアーマーの上には、アサルトベストを着用していた。

 素顔はわからないが、体格から判断すれば

 をしているのが判断できた。


 手には、銃身長457mm、装弾数30発の箱型弾倉型の軍用小銃をもっていた。

 先頭を歩いていたらしき身体の管理職員が右手を上げて

 立ち停まる。

 その合図を確認した後方の5人も、ゆっくりと立ち停まった。

「―――何です?」

 の管理職員が尋ねる。

「―――数メートル先、不審冒険者を確認した」

 の管理職員が短く応えた。



 服装からしても、『最高危険区域』内で

 どちらかと言えば、街市内で買い物をするようなラフな服装だ。

 はっきりと言って、その様なラフな格好で探索を行うのは命知らずか、

 



 もっとも『最高危険区域』冒険者パーティ出入り口には、が設置されている。

 検問施設の冒険者管理職員に、『』を提示しなくては、

『デーメト』ティームの全管理職員が疑問を感じた。

 使












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