第6話 敵襲だ!

 世界滅んじゃうじゃん!!!!



 ミズキは己の恐ろしい予言に驚いた。



「はい、それこそが我ら、ハゲタロス様の悲願! この世の終焉にこそ我が髪の……いえ神の世界が待っているのです!」


「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」


「なので、ぜひとも青いサイハイソックスに履き替えてください。そして金色の海原に」


「無理だよー」


「あなた様なら出来ますとも! ハゲにこそ真実あらん!」


 ハゲハゲって言うなよー。ニット帽ニット帽。


 ミズキは唯一の宝物、ニット帽を抱き締めて頭にかぶった。



「おおおおおお、ハゲの御威光が……お隠れに」


「かくれてないよぉ〜」


「そう言えばお預かりした黒い箱をお持ちしました」



 やっと思い出したかのようにライティはビジネスバックを取り出した。



「あ、僕のバッグ」


 中には愛妻弁当が入っている。それとパソコン。


 いそいそと弁当を取り出して、「ラブマーク」のついた、「コンヤ💓」というご飯をパクリと行く。


 コンヤだったのかぁ〜


 そんなことを考えながら、弁当を食べているとライティが物欲しげにこちらを見つめているではないか。



「なに!?」あげないよ!?


「それはどなたからの供物なのでしょうか」


「僕の奥さんだよー」


「ええ! ミズキ様には奥方が!」


「うん」


「それは羨ましい……。奥方になられた方に栄光をあれ!!!」


 ライティが片手を高々と上げた。




 ハイルヒトラーみたい……




 などと思いながら、タコさんウィンナーをパクリ。





 と……、激しい足音がしたかと思ったら突然扉が開いた!



「ライティ様! 敵襲です!」



 目の前に、青っぽい長髪を腰まで垂らし、白いケープ、今度も白いパンストを履いて、上はすっぽんぽんでプルンプルンの女が入ってきた!


「どうしたのだ!? オウガ!」


「と、ところで、この美味しそうな匂い……あ! ミズキ様、それはなんという供物ですか!!」




 上げないよ……


 サッとミズキは弁当を後ろに隠す。


「愛妻弁当だよ〜」




「あいさい……それはどこの祭祀様ですか」


「オウガ、ミズキ様にはすでに奥方が」


「ええ! では……ウミーン様は……」


「そのようだ……、黙っているべきだろうか……?」


「しかし、黙っていてもいずれは……」




 なんなのー?

 あの白ガーストちゃんがどうしたの〜?




 ミズキがドキドキしながら二人を見ていると、オウガがハッとしたようにライティを促した。




「至急、神殿へ!!」




 ミズキは愛妻弁当を手に、今度は肉巻き野菜炒めを食べながら神殿へ連れていかれた。



 ゆっくりご飯食べたいな〜




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