第3話 妙高

-尖閣諸島護衛艦みょうこう-


 イージス艦の巨体が敵駆逐艦に迫る。


「ぶちかませぇ!!」


 そう。彼らはいつぞやの某国漁船と同じ戦法を取っていた。


 体当たり。


「総員、衝撃に備え!!」


 右舷に接触し、ギリギリと不快な音が響く。


 艦長は、戸村幸一中佐。

 50代で中佐と、出世が速い訳ではないが、彼の猛将ぶりは広く知られている。


「砲雷長!!CIWSで敵駆逐艦艦橋を薙ぎ払え」


「り……了解!!」


 近接対空火器システムが敵を指向し、ガトリングが高速で回転を開始する。


「CIWS!AAw-Auto!撃ち方始め!!」


 濃密な弾幕が敵駆逐艦を襲う。

 そして、敵兵もろとも粉砕する。


 CIWSが撃ち尽くされる。


 艦橋の窓も割れ、沈黙した敵駆逐艦。

 もはや生存者はいなかった……。

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