第36夜 眩暈
2017/1/19
体温計の液晶は、38.4を表示している。
夕方、電話越しに思った。
彼女が何者であろうと、一緒に居る時くらいは大きく構えて、全てを受け入れてあげよう。言わば僕たちは都合の良い男と女の関係なのだ。お互いに利用し合っているだけ。
一般的な恋人同士に発生するややこしいイベントには、わざわざ遭遇しないで良いのだ。
やはり僕は、ヒトに踏み込み過ぎる。
例え彼女と立場が逆だったら、それこそもう耐えられない。毎日発狂しているに違いない。
隠していても、そんなつもりじゃなくても。「今」彼女がLINEを送っている相手は僕なのだ。背景はどうだって良い。
それに応える優しさと余裕を持って、疲れた彼女を迎え入れようと思う。
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