第3夜 あまいやまい

2016/04/15

昨夜の雨で寒さは去り、春を感じる夜風となった。帰り道には相変わらず蛙の声が響き渡り、空には星が見えた。


まさか昨日の事とは思えない程に、思い返しては苦しんでいる。この衝動が無くては自分は自分を保てないのだとも思う。それがこの病の主症状で、治し方は未だ分からない。


一方で感情を無くして行く自分に目を逸らしながら、また擬似的な恋心を抱く。あくまで擬似的と、自分では気付いているつもりだ。


なぜなら、どうせ桜が散ってしまう頃には、こんな感情忘れているのだろうから。

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