第25話 香辛料貿易 世界史B 授業案

 「○○ 世界史B 授業案」

 ゲームブログに授業案で検索でくるとは!

 よし! ゲームブログらしく?微妙なタッチで書いてみましょう。


 と、はっちゃけて書いてしまった記事が今回の元ネタです。


●ポルトガルの状況

 ポルトガルは、当時イスラム教徒の勢力だったイベリア半島(今のスペインとポルトガルがある半島、ヨーロッパの西の端)を攻め、領地を拡大し、ついにイスラム勢力を駆逐することに成功。

 しかし、隣の国カスティリャとアラゴンという国が合併してスペインとなって強力な国になってしまった。

 西は海、東は強国スペイン・・・当時のポルトガルはこれ以上外に広がることができないばかりか、隣には脅威となるスペインが・・・。


◆レコンキスタってなに?

 日本語で領地回復運動と訳される言葉で、イスラム勢力下にあったヨーロッパ大陸をキリスト教国家が取り戻そうとする動きのこと。

 思いっきりヨーロッパ視点から見た言葉で、イスラム勢力からみれば、侵略でもあった。

 ポルトガルとスペインはこのレコンキスタで、イスラム勢力を追い出して国をたてた。


◆当時の香辛料

 インド原産の非常に安価な胡椒などは、イスラム圏をとおり(詳しく国を書くと煩雑になるので割愛)、ヴェネチア商人などによってひとつぶひとつぶ数えて取引されるほど高価になってヨーロッパ各地で取引されていた。

 香辛料がもてはやされた理由としては、当時の保存技術がよくなかったため、食べ物の悪臭を消すためにもちいられたと伝えられる。


◆当時の地理の考え方

 アフリカを海路で抜けると、インドまでたどりつけると信じられていたが、北アフリカをそのまま西へいけば、海がだんだん暑くなってくる・・・。

 このまま進むと、さらに暑くなって船もろとも燃えてしまうと考えられていた。(赤道に近づくのだからあつくなる・・・)


 さて・・・難しい話はこれくらいで・・・


◆ここまでのまとめ

 ポルトガルいわく・・・

「隣国スペインマズー、うまい儲け話ないかいな? 香辛料ウマー」


●エンリケ航海王子

 そんなポルトガルの状況のなか、エンリケ航海王子という人物がでてくる。彼は、アフリカ探検を推し進め、ポルトガルの新たな領土拡大・商業権の拡大のため奮闘する。

 まず、当時イスラム圏であった、ジブラルタル海峡のセウタを攻略。(このセウタの維持のために、莫大な金がかかった。回りは全てイスラム圏で、取り返そうと何度もセウタに攻め入ったからだった。)


 そして、拠点を獲得したエンリケは、


「アフリカ沿岸をそのまま西へ進め!」と命令する。

「燃えるからヤダ!」と船員。

「今、わたしに処刑されるのとどっちがいいのかね?んんーー」とエンリケ。

「そんな殺生な・・・。王子はどうなさるんで・・・」

「僕は船酔い激しいから、船のらね。おまいらだけでいってこいや!」


 といったかどうかは・・・謎だが、エンリケの時代にポルトガルはついにアフリカ最西岸ヴェルデ岬を確認する。


 あとは、そのまま陸沿いに進めばインドである!

 そう考えたポルトガルは、香辛料ウマーをするためにさらに探検を続行するのである。


◆ここまでのまとめ

 エンリケヤバス! ヴェルデ発見!


●ディアス提督

 ポルトガルのバーソロミュー・ディアスはアフリカ西岸を航海していた。航海中の彼の様子を見てみよう。


「提督ー。船が汚れてきてやすぜ」(船員)

「報告じゃなくて・・・そういうなら掃除せいや!」(ディアス)

「提督ー。船倉にねずみがわいてやすぜー」

「のんきに報告する前にねずみ退治せいや!」

「提督ー。(RY)」

「だから報告する前に(RY)」


 ディアス提督も大変そうである・・・・。


 そんなのん気に見える航海も死と隣あわせだということを忘れてはいけない。嵐や謎の壊血病という病気で彼らはいつ海の藻屑になってもおかしくはないのだ!

 たまには気を利かせようと船員は、ディアスのためにがんばった。


「提督ー。みてくだせえ。あっしが釣ったんでさー」と、船員Aはディアスに身がつまったおいしそうな鯖を差し出す。


「提督ー。あっしもあっしもー」

「おまいら・・・・・」


 目頭に熱いものがこみ上げるディアス・・・。


 しかし、さっきから妙に船の揺れが激しい!


「提督ー。外は嵐ですぜ!」

「だから報告する前に、帆たためや!!!111」

「もう遅いです!船が流されてやすぜーー。あっしらどうなるんだろう・・・」


 そんなこんなで、ディアス艦隊は嵐に流される。ようやく嵐がおさまり、ディアスは方角を調べると・・・・。


 船が東に向かって進んでいる!


 これはひょっとして・・アフリカの南端を抜けたか!

 そう思ったディアスは、航路を北にとる・・・そうして彼は、アフリカ最南端を発見したのだった(1488年)。

 彼はこの岬を、嵐の岬と名付け、そのままインドまで到達すべく、進路を東へとるが、船員の猛反対にあってポルトガルに帰還。


 この報告を聞いた王は、ものすごく喜んだが、


「ディアスよ、そなたはネーミングセンスが悪いな・・・」

「え?」

「嵐の岬じゃ誰もいかんだろおが!予の独断でここは「希望峰」と変更させてもらう!」

「うはwwおkwwww」


 といったかどうかは謎だが、ともかくディアスによってアフリカ最南端まで到達。 このまま東へ進路を取ればインドが見えてくる!

 いよいよインドが現実のものになってきた。


◆ここまでのまとめ

 天然パーマパーマ(1488年)なディアスは、喜望峰に到達。


 ようやくアフリカ最南端に到達しインドまでの道も見えてきました。

 ここはなんとしてもインドまで到達したいと考えたポルトガル国王マヌエル一世は、探検家・航海者として当時ある程度の名声があった、ヴァスコ=ダ=ガマにインド航路発見を命じます。


●頭の固いガマ

 1497年7月にポルトガルの首都リスボンを出発したガマ艦隊は4隻で総勢170人といったものだった。

 11月には順調にケープ(希望峰)を抜け、アフリカ東岸地域についに進出。そして、ようやくアフリカ東岸の港モザンピークに寄港する。

 当時、アフリカ東岸地域は、イスラム商人の活躍する場であった。モザンピークに寄港したガマ艦隊も、イスラム教徒の艦隊だと勘違いされ、当初彼らは歓迎されていた。しかし、頭の固いガマさんが勘違いは許さない!


「おまいら!われわれこそは、偉大なるキリスト教徒なるぞ!」


 と、ガマが大声を張り上げると・・・住民の顔つきがいっぺんする。

 

 ――そんなわけでモザンピークを追い出されたガマ艦隊は、さらに北上し、モンパサに寄港。ここでも頭の固さを見せたガマさんは、見事モンパサを追い出される。

 続けてマリンディに寄港するガマ艦隊。ここでもガマさんは、同じようなことを叫ぶが・・・


「王様、久しぶりに超の付く変人が来てますよ」

とマリンディの住民A


「おおそうか。すぐこちらに呼べい」

とマリンディの王様。


なんと! マリンディの王様は大の変な人好きだったのだ!

 ここで歓迎されたガマ一行は、マリンディの王様にカリカット(インドの港)までの優秀な水先案内人イブン・マージドを紹介してもらう。


 こうしてついに、1498年5月インドのカリカットに到達。

 ここでサモリン王に交易許可をもらい、わずかばかりの香辛料を積み込み帰路につく。

 しかし、帰路の航海は悲惨なもので、生鮮食品の不足から船内に壊血病が発生し、多くの船員の命が失われた。

 

 1499年5月、ようやくリスボンに帰還したガマ艦隊の生き残りは、60人に満たなかったそうだ・・・。また、インドでつんだわずかばかりの香辛料は、60倍の価格で売れたという・・。

 こうして、ガマ艦隊の活躍によってインドまでの道は開かれる。


◆ここまでのまとめ

 ガマは変な人


●利益を独占するために

■その1 拠点の確保

 交易を円滑にかつ安全に行うためには、イスラム商人・海賊のひしめく

アフリカ東岸、さらにはインド・香料の宝庫東南アジアに拠点を確保することが重要になってくる。

■その2 既得権益の確保

 せっかく航路を開拓しても、他の国々に利用されないようにしなければ、独占貿易による利益は半減してしまう。よって、ポルトガル以外のヨーロッパ諸国の排除も必要。


●海外拠点の確保

 詳しくはアルメイダとアルブケルケを見ていただきたい。(いずれ書きます)

 結果として彼らの活躍で、ポルトガルはインド・東南アジアにおける香料貿易の独占に成功し、一時首都リスボンは、世界の交易の中心として栄えることになる。


●既得権益の確保

 アフリカを南下しようとする他国船を撃退すると内外に脅しをかけ、他国のインド進出を防いだ・・・


◆ここまでのまとめ

 船に乗れない航海王子、嵐に流されて希望峰を発見したディアス(1488)、頭の固すぎる変人ガマのインド航路の開拓(1498)など、微妙な人々の活躍によって、ポルトガルは香辛料貿易の利権を確保し、繁栄した。


 だいたいこのような感じで、香辛料貿易・授業案は終了したいと思います・・・。

 勇気のある先生方一度こんなんやってみてください。

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