第7話 1654年離婚裁判、髪染め

 時は17世紀......1654年に妻からの離婚裁判が夫に持ちかけられる......。

 この時代妻から夫へ離婚申し立てをできるのは、一点だけに限られていた。


 妻から夫に対して離婚を申し立てできるのは、夫のあれが全く立たないと認められた時のみであった。

 それを検証するための裁判がいわゆる「不能裁判」!!

 世間一般にあいつは不能だと公表される恐るべし裁判!!


 さて、1659年ランジェ夫人が、里の家族に、結婚して6年たつのに私はまだ処女だと告白したことから、事件は始まる!!

 これを聞いてびっくり仰天の家族は夫人に、すぐに裁判に訴えるようにすすめ、さっさと検証手続きを済ませてしまった。

 ランジェ氏は大急ぎでそれをやめさせようとしたが(そら当然!!)、止めるのが遅かった......

 哀れランジェ氏、こうして不能の検証が行われると世間に公表されてしまう。

 わくてかしたパリ市民たちは、検証の日にこぞってランジェ氏の元を囲い込み、ランジェ氏は人をかきわけて裁判所に入廷。

 最初に夫人の処女が確かめられるが、もう処女でなくなっていると結果が出て、なにより夫人がびっくりしたそう!

 しかしながら、夫の務めがあまりに不熱心なので、さっぱり効果がないのだろうといわれた。

 

 わくてかわくてかしていた市民はとたんに


「ランジェ氏も6年間ただぼーーーーっとしてたわけじゃないwwwワロスwwwwww」


 とはやしたてたそうだ。


 これ以上笑いものになってはたまらんと一念発起したランジェ氏は、今度は自分から検証を受けると申し出たのだ!


「おらみてろよ愚民ども!!1」


 と勇んで検証に望むランジェ氏......

 しかし、今一歩のところでだめで(何が今一歩だったのかは想像におまかせします)......


 ランジェ氏......

 こうして、1659年2月......ランジェ夫妻離婚成立......。


●ルネサンス型髪染め法

 ルネサンス時代の男性もブロンド女性が好きだったので、イタリア女性たちはこぞって髪をブロンドに染めようとやっきになっていた。

 そこで、当時イタリアの家では、屋根の上に天上のない小さい木造の建物があって(アルターネと呼ばれていた)、イタリア女性たちはここに一日中篭って頭を陽の光にさらしたらしい。しかも一年中で一番日光が強い時期を見計らって......

 屋根の上の小屋に篭って、強烈な暑さに苦しみながら、短い棒の先についたスポンジを特殊な洗浄液にひたし、それで髪をぬらしては乾かし、ぬらしては乾かして、ようやくブロンドが出来上がるという。

 この特殊な洗浄液は、木炭の灰を布に包んで熱湯をそそぎ、できあがったアク汁で、いらくさの種かアンディーブをどろどろになるまで煮た煮汁らしい。

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