僕は生きてる


手術から3日。


ジェイソンはまだ目を覚まさない。


「…ジェイソン、起きてよ」


不意に、ライアンがポツリと呟いた。


マーサが笑ってライアンの肩に手を置いた。


「ジェイソンは起きるわよ、きっと」


そう言って、皆の方を向いた。


皆はマーサにつられるように笑っていた。


「ねぇ、ジェイソン…ジェイソンは生きてるよ…?」


ケルシーが手に優しく触れながら、そんな事を呟いた時だった。


ジェイソンの目が、ゆっくりと開いた。


瞬きをして、皆を見回して…嬉しそうに笑った。


「…僕は…生きてる…」


そう呟いて、一筋の涙を零した。


トロイがナースコールを押し、意識の回復したジェイソンは色々と検査を行う事になった。


異常は見られなかったとの事で皮下注射をして、疼痛(ズキズキした痛み)も引いて来ていたから、尿道のカテーテルを抜くことになった。


皆の前で下半身スッポンポンにはなれないから、カーテンを閉めてから、カテーテルを抜いていった。


カテーテルを抜いた間、ジェイソンの悲鳴のような叫び声が病室にこだました。


全員びっくりして、顔を見合わせた。


カーテンが開けば、ジェイソンはぐったりしていた。


「…股間、痛い…」


小さな声でそう呟き、軽く股間を抑えていた。


どうやら、カテーテルを抜く際に激痛が走ったらしい。


それを聞いた男性陣が股間をもぞもぞさせていて、女子たちはそれを見てちょっと嫌がりながらも面白がっていた。


ジェイソンの調子が良い為、水分補給と液状の食事(日本だと重湯や具なし味噌汁)を取れることになった。


ジェイソンはゆっくりと水を飲み込み、スープを啜っていた。


その表情は、幸せそうだった。

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