夢恋の恋に出逢う ~another story~

くるみ

生徒会執行部



オレの名前は安藤翼。この学園の生徒会で庶務を務めている。



「会長!先程の挨拶は何ですか!」



そして全校集会が終わるや否や、舞台袖で副会長である岩城斗真に説教を受けているのは会長の水瀬愁。



「まぁまぁ、落ち着けって…」



オレも止めには入るものの、



「そうだぜ、斗真ー。血管切れるぞ」



先程からコイツの余計な一言で



「これが落ち着いていられる状況ですか?!」



斗真の苛立ちを煽る一方だ。

バンッと机を叩いたかと思うと、カッと思い切り目を見開いた斗真。



「会長!今日こそは言わせて頂きます!」

「んー、どうした?」



どうやらとうとう斗真の堪忍袋の緒が切れたらしい。



「会長は生徒会をどのような存在だと考えておられますか?」

「おー」

「そうです!生徒の鑑です!」

「あー」

「…にも関わらず!あのような集会の場で生徒の見本とならなけらばならない生徒会長がだらしない真似をして許されると思ってるんですか!!」



——バンッ



愁に対して的確すぎる怒涛の説教を終えた斗真。というか、今の愁何にも反応してなかったよな。



「許されねぇよ…」



携帯を握りしめたまま俯いている愁。

…本当に思ってるのか?



「会長…。やはりわかって…」

「確かにこの可愛さは許されねぇ」

「「かわ、いさ…?」」



思わず声に出た声は斗真と綺麗に重なった。



「ほい」



その声とともにスマホの画面を見せてくる愁。オレと斗真は一緒になって覗き込んだ。



「誰ですか。この女生徒は」

「これ俺の妹なんだけどよ。同じ学校通ってんだよ!さっきも集会で眠そうにあくびまでしてて…」



嬉々とした表情で話す愁。

その前でゴォッと禍々しいオーラを出し始めた斗真。

…オレはもう知らないからな。



「会長…」

「詩春フォルダに移動して…、と。

お、どうした」

「携帯…貸して下さい」

「詩春見ようとしたって駄目だぞ」

「いえ、そうではありません」

「じゃあ何すんだよ」

「画面を割ります」

「えっ、割るの?!もっと駄目だろ!何平然と人様の携帯の液晶割ろうとしてんだよ!」

「いいから貸して下さい!」

「おい、やめろよ!翼!助けてくれ!」



そんな声を後ろに、



「自業自得だろー。あとは頑張れよ」

「今日という今日は容赦しませんよ!」

「翼の裏切り者ぉぉぉ」



オレは教室に戻った。

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