シスター・チェンジ・シスター

祭 仁

第1話運命は、いつも唐突だ!!

1年前────妹、遥香はるかは交通事故で死んだ。

俺、あかつきじんは、妹の死に未だに折り合いが付けられずにいる。

それだけ、俺がシスコンだった。と言えば済む話なのだが・・・・・・。

「んじゃあ、お兄ちゃん高校の入学式行ってくるわ。」

生徒手帳に挟んだ、妹の写真に話しかけた。

「おーい!仁、お前の席ここだぞ〜!」

「おう!今、行くよ。」

大きく手を振って場所を教えてくれるのは、俺の幼稚園からの親友、笠寺かさでら 恭弥きょうやだ。

俺は、恭弥の隣に座った。

「恭弥、お前の事だから面倒くさがって来ないと思ってた。」

「何言ってんだよ!今日から俺達のバラ色高校生活は始まるのよぉ〜!」

そう言って、妙にニヤニヤしながら、手に口を当ててオッホホする恭弥。

お前は、井戸端会議のおばちゃんかよ・・・・・・

「そうだよ、仁君!!私達、高校生だよ。JKだよ〜!」

恭弥に隠れていたが、小さな体を前のめりにして、顔をひょこっと出して口を挟んだのは、幼馴染みのあおい 雛子ひなこだ。

「ふーん、そんなもんなのか?・・・てか、JKって死語じゃねえーか??」

「えーそんな事ないもんッ!」

そう言うと、雛は、ほっぺを大きく膨らませて怒ってみせた。

「まあまあ!お二人さん、夫婦喧嘩はそろそろやめて式始まるぞ。」

『夫婦じゃないッ!!』

恭弥の返事に雛とハモってしまった…いつもの事だが。

────「えー、今から神祇官高校入学式を始めます。」

その音声で周りが静かになっていく。

トントン・・・・・・腰を突っついてくる恭弥、鬱陶しい。

「おい、なんだよ?」

「お前、絶対ビックリするぞ。」

「???」

意味がわからない。だがそれ以上、恭弥は言わなかった。

────「えー、続いては生徒会から、新入生歓迎の言葉です。生徒会長、天ノあまのかわ みやびさん、お願いします。」

────「はい。」

返事と共にコツコツと歩いてくる女性。黒髪ロング現代の平安美人とは彼女のことを言うのだろう。

しかし、俺にはそんな事は大したことじゃない。

恭弥のいった意味をやっと理解した。

「・・・・・・遥香?」

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