未来脚本

さくらわか

第1話 現状維持が好き?

朝はいつも昼頃に起きる。時間は決まっていない。


とりあえず、14時までに会社に入るように支度を始める。




まず、布団を抱きしめて、温かさと柔らかさを噛みしめる。


「ここから離れたくないなぁ…」と思いながら、連日の徹夜作業で疲れ切った体を起こす。


布団をたたみ、トイレに向かう。


いつ帰ってこれるか分からない仕事のため、賞味期限がすぐに切れてしまう食材はなるべく買わないようにしている。


そのため、残っている食材が無い。


仕方ないので、インスタントのコーンスープで朝食を済ませる。


コーンスープを飲み終えた後に、日課のサプリメントを飲む。


「元気セブン」という一日分が一袋になっており、7粒入っているお得なサプリメント。


通販で手に入れたが、二か月で六千円ほど。つまり、一日一袋(7粒)で100円弱。


かなりコスパの良い商品だと思っている。


飲み始めて一か月は経つ。


普段の体調的には、特に変化は見られないが…


忙しい時期は食事もろくに取れず、栄養不足で足がよくつったり、痺れたりしていたが、最近は、それがなくなったので、効果があるのだと思っている。


飲み終えて、立ち上がり、コップを洗うため、キッチンへ向かう。


そこで、歯磨きも済ませる。


ユニットバスの洗面所で顔を洗い、部屋に戻ってメイクをする。


メイクはその日の気分で微妙に変えている。


最近のお気に入りは、インテグレートのクレヨンリップ。


乾燥せず、潤いを保ちつつも、発色が良い。


鏡を見るたびに、一か月前に美容院を変えて失敗した髪型をどう処理するか、毎日悩む。


とりあえず、ヘアワックスを付けて抑えるが、前髪が浮いてくる。最悪だ。


はじめはヘアバンドをして対応していたけど、寒くなってきて、ファーのスヌードを付け始めてからは、ヘアバンドをしなくなった。


なんとかヘアワックスで抑えつける。


気に入らないけど、仕方がない。


着替えも済ませ、いざ会社へ…。


と、時計を見ると、14時を過ぎている。


「あぁ…また遅くなってしまった…」と反省しながらも、会社へと向かうのだった。




今の会社に不満は無い。


仕事も好きだし、社員のみんなも好きだ。セクハラ上司を除いて。


今の会社にいれば、安定した収入は得られるし、生活も出来る。


ただ、担当の仕事はキツイ。


追い込み時期は、連日徹夜作業。ほぼ泊まりに近い。


2~3日お風呂に入れないこともザラにある。


体力面で限界を感じている。


そして、金銭面でも…。


こんなにキツイ状況の仕事を担当しているにも関わらず、他の社員と同じ給料は、ありえない。


他の社員は、定時で帰って、土日祝はもちろん休み。


私は…プロジェクトが動き出すと、2か月間ほぼ休みは無い…。


そのうえ、終電・徹夜は当たり前。この差は一体なんなの…?


体力的にも、金銭的にも不安だ。


この仕事を続けていっても何のスキルも身につかない。


将来的に不安だ。




仕事に追われる毎日で、恋人もいない。


一人の方が楽といえば、楽だが…。


やっぱり、一緒に成長できるような仲間は欲しいし。


愛するパートナーも欲しい。


癒される空間が欲しい。


そして、人生を明るく輝いて過ごしていきたい。




私は本当は何がしたいんだろう?




毎日のように問いかけるも、すぐには答えは出てこなかった。


これだけは言える。




現状からは抜け出したいかな…。


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