30:「イヤなことなんて、ぜ~んぶ吹っ飛んじゃいますよ……❤」

 「モエカっ……!」

 「ンふふっ、れろれろれろれろ♡ んっ、ぷちゅっ、チュっ♡ ぷちゅっ、チュぅっ♡ ン、んっ……ふぁ、ぷちゅっ、チュ♡」

 リズミカルに、モエカは俺にキスしてくる。調子のいいやつだ。可愛いからつい許したくなってしまう自分が悲しい。

 くっ、俺もモエカにもっと奉仕しないと……!

 「ンむっ……」

 「ねとぉっ……!」と唾液をたくさんたらしつつ、俺はくちびるを離した。

 「あぁんっ、師匠! なんでやめてまうのぉっ!?」

 「モエカ、舌出せ」

 「……へ? う、うん。こないでええの?」

 濡れそぼった舌を、モエカはぺろっと出した。

 「じゃ、行くぞ。……んっ、ぺろぺろっ、にゅちゅっ……!」

 「ンぁ、ぁぁぁぁ~~~っ……?!」

 くちびるは触れず、舌どうしだけが触れ合った。

 モエカのキレイなピンク色の舌が、ぴくぴく震える。

 「ふぁ、ぁぁァっ♡ や~っ、こんなんヤーやぁ♡」

 「ふっ……!」

 俺は鼻で笑う。容赦せずに、さらに舌を絡めていく。

 「ンにゅっ、ぅあっ……ハァァ♡ ンぷっ、チュクチュクっ、しっ、ししょぉっ♡」

 くちゅっ、くちゅっ……と、肉感的な音が下品に響いた。

 すると、エッチが口を挟む。

 「エッチですっ、あぁぁぁぁっ……! お二人とも、すばらしいキスですね! 互いに想いあっているのが、伝わってきますよ。さぁ、もっと愛し合って……はぁァッ……高めあってくださいね♡」

 自分がキスしてるわけでもないのに、エッチはやたら興奮しているようだった。元気いいな……。

 一方、モエカも負けずに顔を真っ赤にしている。

 「ンにゅっ、ン……ちゅぷちゅぷチュっ♡ ンあぁぁぁっ……♡ めっちゃ、めっちゃすごいぃっ……ふぁ~っ、ンぢゅっ、ニュルニュルにゅるっ、じゅぷっ……クチュ♡」

 激しいキスの連続の中、わずかな隙間時間に、彼女は言葉を発した。

 「ウチ、ししょおにキスされちゃってるぅ……ンっ、にゅるにゅるれろれろれろ♡ ンふぁぁぁっ……ぁ♡」

 モエカはかすれたような声を出した。よし、モエカはキスで喜んでくれているみたいだな!

 この調子で接吻奉仕キスサービスを続けて――

 と、思っていたら、

 「ししょぉっ、ししょぉっ♡」

 「んんっ!?」

 がばっ! と、モエカは俺に抱きついてきた。胸が思いっきり当たり、相変わらずビビらされてしまう。

 「ど、どうした? 別に抱きつくのはいいけど……ちょっとびっくりしたぞ」

 「やってぇ~。ふふふふっ♡」

 モエカは、俺の顔に頬をこすりつけてくる。

 「お、お前けっこう甘えん坊なんだな。知らなかったよ」

 「ちゃうちゃうっ、ウチ甘えん坊なんかとちゃうもん! 師匠だから、やってるだけやで♡ なぁ、ししょぉ……っ♡」

 モエカは、うれしそうに目を細めて、くちびるを突き出してきた。

 「やっぱり甘えん坊じゃないか……」

 とはいえ、求められるのは悪い気はしなかった。もっと、モエカに奉仕してやらないと――と、彼女の背中に手を回す。

 「んひゃぁっ♡ ししょっ……ン♡ はぁっ、ぁ……んっン、ちゅぷプ、ちゅぷちゅニュルぅっ……♡ ふぁ~~~っ……ししょぉのキス、す、すごいわぁ♡

 「んんっ、はぷっ……そりゃ、良かったな……ん、くむっ……!」

 もっと、もっとだ! もっとモエカに喜んでもらいたい。

 俺は、モエカの手を探し当てると(モエカの顔が目の前にあるので、視界がふさがっていた)、指と指を絡み合わせた。モエカは、それを受け入れるかのように、きゅっと握り返してくる。

 「ンっ、ふぁ~っ、んチュっヂュぅぅぅぅぅぅっ……♡ひゃぁっン♡ ししょぉっ、ウチうれしいでっ♡ んちゅっ、チュッ、ちゅっ……♡」

 「モエカ、モエカっ……!」

 手と指を同時に絡めあって、なんだかモエカとひとつになってしまったかのようだ。頭がぼ~っとしてくる……。

 接吻奉仕キスサービスによって、相手に愛情だけではなく、精神的・肉体的エネルギーを送り込むことができる。

 モエカも、だんだんノってきたようだし……よし、彼女にエネルギーを送るぞ! と、思ったとき、横やりっぽいのが入る。

 エッチが、俺の手を掴んだかと思うと、なんと彼女のうちまたに挟み込ませてきたのだ。

 彼女が履いているのは、クソ短い制服のスカート。つまりは、生の太ももが露出してしまっているということになる。

 地肌の温かくやわらかい感触が、手全体を包み込んだ。

 「ちょっ、エッチ!? 何やってるんですか!」

 これって、胸を直接触らされてるのと、大して変わらないんじゃないか? ――と考えたら、冷や汗が止まらなくなる。

 「エッチですぅ♡ あのぉっ……申し訳ありませぇんっ♡ お二人が愛し合うのを見ていたら、我慢できなくなってしまいましたぁ♡ もうっ、三次密度サードデンスィティーの物理的肉体って、ほんとにワガママさんですぅ♡ あぁ、アナタ、早くっ……早くぅ♡」

 ごしごし、ごしごし、くにくに、くにくに。

 と、俺の手を挟み込んだまま、エッチは太ももをこすり合わせた。

 「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!? やめぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 「エッチですぅ♡ アナタぁ、私にもぉっ……ンふふっ……アナタの尊いくちびる、めぐんでくださぁいっ♡」

 エッチは目を閉じ、「ン~~~~~~っ♡」と俺の頬に口づけした。そして、くちびるの端のほうを、おねだりするようにつついてくる。

 「エッチも大概甘えん坊ですね!?」

 たしかこの異星人、俺の10000倍くらい歳いってるはずなんだけど……記憶違いだったかな。

 「んむっ、チュプ、にちゅぅっ……ちょっ、ししょぉっ! ウチとキスぅ、途中で止めたらアカンっ! ウチともぉ、もっとキスして~な♡」

 モエカは、甘ったるい声を出して俺におねだりした。なるほど、これが「男に媚びるような声」か……。

 などと感心しているヒマもない。モエカは俺の手をつかむと、自分のセーラー服の下に滑り込ませる。

 「なっ……!?」

 「ふふっ、ちょ、ちょっとこそばいけどぉっ……♡ ししょぉっ、こぉしたるで♡ えいっ!」

 むぎゅっ、と異様に大きなやわらかい物体が、俺の手に押し付けられた。

 「っ……!? あ、あれっ、変だな。モエカ……お前、下着はっ?!」

 「こんなこともあろうかと、さっき下着を抜いておいたんやっ☆」

 モエカは目の横にピースサインを持ってきて、ぺろっと舌を出した。

 「茶目っ気たっぷりに言ってもダメ! 何考えてんだお前っ!?」

 「え~っ、やってぇ♡ 師匠にお礼せなアカンし……『このくらいして当然』やでっ♡」

 いつかおれ自身が言ったようなセリフを、逆に返されてしまう。思わず黙ってしまった。圧倒的な胸の圧力が、俺の言語力を粉々に打ち砕き、蹂躙していく……。

 「ほら、ししょぉ、ウチの胸、やーらかい? フフフフっ♡」

 むにゅっ、むにゅっ……と、強制的に胸を掴まされる。

 「なーなー、ウチにもチューしてぇな♡ おねがいっ♡ ン……っ♡」

 モエカはエッチをそっくり真似るように、俺の頬をくちでついばんだ。

 「んんっ……?!」 

 エッチとモエカ、両方からいっぺんに頬を、そしてくちびるの端あたりを舐められてしまう。舌のざらつきに、背筋がゾクっと震える。

 「ふぁっ、ンふふっ♡ アナタぁっ、チュっ、ちゅぅぅぅぅっ……ぺろぺろぺろ♡」

 「ンにゅっ、ちゅくちゅくチュクっ、れろれろれろれろ♡ はぁっ、はぁ……師匠っ、ししょぉっ♡」

 「ちょっ、二人とも……これはっ、やばっ!」

 赤い舌をチロチロと出した美少女ふたりの顔が、目の前に迫る。その上、俺の両手は胸や太ももにしっかり捕らえられていた。

 「ふぁっ、んン……あァ~~~っ……❤ やぁっ、ア♡ 私、もうガマンできませぇんっ♡ ねぇモエカさん、せっかくですから、私たち三人でキスするのはどうですかっ? あぁ、複数人で愛し合うだなんて、なんて素晴らしいことでしょう! きっと、イヤなことなんて、ぜ~んぶ頭から吹っ飛んじゃいますよ……♡ ねぇ、いかがです?」

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