悪魔たちの仲間になった元人間 イベント用
上山基也
第1話 クリスマス
悪魔たちの仲間になった元人間のイベント用のシナリオを書いていきます。今回は2016クリスマス編です。
どうぞ
12月24日、世間ではクリスマスイヴと言われる日だ。そんな今日も俺は沙っちゃんと駅前の広場で待ち合わせしている。周りにも俺と同じような人が多く、爆発しろとか言いたいのだが、それでブーメランが返ってくるのは分かっているので今日はこう言っておこう。別れるなよ。と。
「ゴメンね。待った?」
「全然。今来たところだけど」
「嘘だね〜。だって、顔が白すぎるもん」
「あ。バレた?」
カッコつけるのは良くないって事か。
「今日ってクリスマスなんだよね?」
「正確にはクリスマスイブだけどな」
「まぁまぁ。でもさ、不思議だよね〜。クリスマスってなんでこうカップルばっかり見るんだろ」
「さぁな。年末だから浮かれてるんじゃないのか?」
それを言うと、俺達も浮かれてる人になるけど。
「それよりさ、これからどこ行こっか。映画行く?人格入れ替わるっていう今年売れてるアレ」
「あ〜。別に良いよ」
正直、まだ見たこと無かったから、この誘いは有難い。
「申し訳ありません。本日の分は全て埋まっておりまして……」
「えぇ〜!!」
「仕方ないか。今年はクリスマスイブを挟む3連休だもんな〜」
「諦め早いね」
切り替えが早いと言って欲しかった。
「それよりさ〜。お兄ちゃん。何処か行こうよ〜。映画の席一杯だったしさ」
アレ?聞き覚えのある声が……
「美桜はどこに行きたいんですか?」
「ま〜た敬語に戻ってる」
「え?美桜ちゃん?」
「それに聡夫さん?なんで……?」
訳が分からない。聡夫は俺の体内に居るはずなのに……
「いやさ、
「今買収って言いかけなかったか?」
「気のせいだよ〜」
神様って買収されるのか。
「ちなみに、
「それ以上バラスのはやめてあげて」
天から、俺に睡眠時間を〜!!とか聞こえてくるから。自業自得な神様の声が。
「それよりさ、これから一緒にどこか行かない?」
「美桜、剣君たちはデート中だから、邪魔しちゃダメだろ?」
「沙っちゃんが良ければ良いよ。別に」
「私も大丈夫。どうせ行く所ないし」
まぁ、クリスマスに人ごみの中に行くなんて事をしたのは反省してるけど。
「それじゃあ、街のイルミネーションでも見に行く?」
「そうするか」
「ですね」
「行く所もないからね」
沙っちゃん。相当楽しみにしてたんだな。
「わ〜っ!!イルミネーションが綺麗!!」
確かにこれは綺麗だ。
「ホント、クリスマスって感じ」
「年末の間違いじゃないんですか?」
「お前、本当に俺の中にいたハズの人間だよな?」
「本来のその体の持ち主です」
雰囲気ぶち壊すなよ。
「まぁ、お兄ちゃんに雰囲気ぶち壊されたけど、屋台も出てるし、何か食べようよ」
「だな〜」
「賛成」
「ちょっと待ってください!!僕ぶち壊しましたか!?壊してませんよね?」
うん。聡夫は無視しておこう。
「クリスマスって綺麗だし、屋台出てるし、最高だよね〜」
「屋台出てるのは珍しいけど、こういう風なのもいいよな〜」
「だね〜」
「……美桜、あそこで凹んでる聡夫を助けなくて良いのか?」
「知らないふりしてるんだから」
コイツもコイツで大概だな。
「それより、中学生が8時以降に外歩き回ってて良いのか?」
「うっ……」
「分かったらさっさと聡夫連れて帰れ。俺達はもう少しゆっくりしてから帰るから」
「法律め!!自治体の決まりめ!!」
それを俺に言うなよ。
「さて、沙っちゃん。まだ時間大丈夫?大丈夫なら、付き合ってほしいんだけど」
「うん……」
沙っちゃんは頬を赤らめて答えた。可愛過ぎる。
「ちょっと裏路地だけど、ここからだと綺麗にツリーが見えるんだよね〜」
「へぇ〜。こんな場所あったんだ」
「俺より長く生きてたのに知らなかったの?」
「うん。毎年も来てなかったからね」
「そっか」
裏路地の連れ込んでエッチな事をする訳ではないが、何故か緊張してる。
まぁ、訳あってこんな所に連れてきたんだけど。
「沙っちゃん。これプレゼント」
俺は丁寧にラッピングされた小さな箱を渡した。
「ありがと。中見ても?」
「良いよ」
沙っちゃんは丁寧にラッピングを剥いてる。
「これは?」
「将来はもっと良いのを買うけど、今は学生だからそれぐらいしか買えなくてゴメン」
中身は安物の指輪だ。
「ううん。値段とかは関係ないよ。気持ちさえこもってればね」
「そっか」
「うん」
沙っちゃんが喜んでくれたみたいで良かった。
「「メリークリスマス!!」」
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