第4話(3)

(3)

2019年12月2日

そこは高層の高級マンションだった。

私は彼について行く。

彼に名前を聞いたが、男は少し考えた後、「佐藤と呼べ」と言った。

偽名なんだろうな・・。

その部屋は高層階の豪華な部屋だった。だが、生活臭はない。

男が3人居た。

一人はノートパソコンに向かい、一人は本を読み、もう一人は興味深そうに俺を見た。

その俺を興味深そうに見た男が言った。

「へー、彼が山本君か、よろしくな、これから長い付き合いになるだろう、そうだな俺の事は田中と呼んでくれ」

「は、はい宜しくお願いします」

「しかし、汚い恰好だな、服は用意してある、風呂で念入りに体を洗え」

「わ、分かりました」

俺は混乱していたが、彼らの発する権力?暴力の気配に逆らう選択は出来なかった。

俺は久しぶりの風呂に入った。しかし、緊張で風呂を楽しめる状態じゃなかった。

風呂から出ると、20代半ば位の目の鋭い本を読んでいた男がいて、これを着ろと言った。

「さっさとしろ、俺たちはお前と違って忙しいんだ」

「わ、分かりました」

俺は、服を急いで着た。

「ついて来い」

部屋に戻ると「じゃ、行ってきます」と男は言った。

佐藤さんが軽く頷く。

俺はその男に従って、地下の駐車場を行った。

車に乗る前に男は俺の事は鈴木と呼べと言った。

俺は素直に頷いた。

着いたのは高級そうな美容院だった。

男は慣れた感じで、俺を指さしながら何かを店員と話し、後で迎えに来ると車に乗り去って行った。

俺は店員に導かれて、店員の言う通りに座っていた。

「うん、こんな感じかしら?ほら、どう思う?」

「は、はい・・・・」

「じゃ、行きなさい鈴木さん待ってるわよ」

「えーと、支払いとかは?」

「もう貰ってるから、さぁ行きなさい」

俺は外に出た、鈴木が乗っているセダンがそこにあった。

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