ダイヤモンドは砕けモース① ホープダイヤはカルティエ製?
「
事実、水晶は強く叩いただけですぐに割れてしまいます。そして呆気なく砕け散ってしまうのは、水晶に限った話ではありません。最近は有名になりましたが、世界一硬いダイヤモンドはハンマーで簡単に割ることが出来ます。
本当にダイヤモンドが硬いなら、人の力で破壊することなど出来ないはずです。果たしてダイヤモンドが世界一硬いと言うのは、都市伝説なのでしょうか。
正解を言うなら、ダイヤモンドが世界一硬いと言うのは誤りではありません。ただし、ここで言う「硬さ」とは、多くの人が想像する「頑丈さ」とは異なります。ダイヤモンドが他の物質より秀でているのは、「傷の付きにくさ」と言った意味での硬さです。
世界には幾つか物体の耐久力を示す尺度があり、その一つに「モース
モース
例えば
シンプルで判りやすいモース
また
そしてこの
鉱物界随一の硬さは古くから知られていたようで、古代ローマの人々はダイヤモンドを既に工具として利用していたと言います。当時「アダマス」(ギリシア語で『征服しがたい』の意)と呼ばれていたダイヤモンドは、他の宝石に彫刻を
神秘的な輝きを放つダイヤモンドは、幾つもの伝説を生んできました。例えばアメリカのスミソニアン
ホープは深い青色のダイヤモンドで、45.5カラット(9.1㌘)もの大きさを誇ります。採掘地は判然としませんが、一説にはインドで発見されたと言います。アメリカの宝石商ハリー・ウィンストンによってスミソニアン博物館に寄贈されたのは、1958年のことです。その名は1800年代前半にホープを手に入れた銀行家、ヘンリー・フィリップ・ホープに由来します。
呪いの宝石ホープは、持ち主に次々と不幸をもたらしたと伝えられます。フランス革命で処刑されたマリー・アントワネットやルイ16世も、ホープの持ち主だったと言います。
とは言え、フランス王家の人々がホープを所有していた証拠はなく、その他の話も
現にスミソニアン博物館にホープを寄贈したウィンストンは、82歳まで生きています。また彼の名を冠したブランドは、現在も最高級のジュエリーブランドとして認知されています。
長くなってきたので、今回はここまで。次回はモース
参考資料:魔導具辞典
山北篤監修 (株)新紀元社刊
ダイヤモンドの科学 美しさと硬さの秘密
松原聰著 (株)講談社刊
徹底図解 鉱物・宝石のしくみ
宮脇律郎監修 (株)新星出版社刊
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