終章 いつかまた、この小さな庭で⑯ 卒業 前編

 早咲きの桜が薫る、マリア様の丘にて。

 リズさんの通うお嬢様学校の、卒業式の日。


「うわぁんリズさんと会えなくなるの寂しいよー! だからおっぱい揉ませて♪」


「ふにゃぁん、だ、だめですよ、そんな、強くぅ♪」


 金髪碧眼の留学生、リズさんと、クラスメートの後條ごじょうるん。

 桜並木で、別れを惜しむ女子高生の図……お胸を揉んでるのは、コミュニケーションの内です。


「んっ♪ も、もうっ。お返しに、唇をもらっちゃいますよ♪ ……ちゅぅぅ♪」


「ふ、ぅぅん♪ むぷ、ちゅぅぅー♪ くぅ、ちゅぷっ……♪」


 「リトル・ガーデン」常連でもあるるんへ、百合接吻して舌を出し挿れするリズさん。

 2人強く抱擁を交わし、乳をむぎゅっと合わせながら。

 金の髪と、黒の髪と、あとピンクの舌が絡まる。


「ちゅぅぅっ♪ んぷ、んぷ。むちゅ、にゅちゅぅ♪ るぷっ、ぷちゅぅん♪」


「むちゅ、にゅぅ♪ にゅちゅ、にゅうにゅうぅぅー♪」


 甘くミルキーな唾液が泡立つ……。


「……ぷはっ♪ じょ、情熱的なキスだね……♪」


 唇を離して、垂れる銀糸を味わいながら、るんは照れた。


「……一生、忘れられないだろうな。こんな風に、女同士でキスしたこと」


「ふふ、私も。百合キスは、永遠ですから」


 たっぷり唇を重ね合い、汗をかいた乙女の薫りを……春風が運び去っていく。

 唇が離れたのは、もうすぐお別れの合図。


 湿っぽくなる空気を誤魔化したいみたいに、るんがリクエスト。


「そ、そうだリズさんっ。私、卒業式にもう一つ、やろうと思ってたことがあるんだ」


 巨乳ハンターを名乗る、おっぱい大好き女子高生、後條るん。

 卒業証書の入った筒を、リズさんへ差し出して。


はさんでみて。リズさんのお胸で、この黒い筒を挟んでみて♪」


「こ、こうですか……?」


 むぎゅ。

 制服が弾けそうな2つの膨らみで、左右から、黒光りする筒を挟み込む。

 黒くて硬い筒を、リズさんのお胸が……。


 これ以上の詳しい解説は、いけない。


「……る、るんちゃん、これ、なんだか、えっちな絵になってません!?」


「……ごめん。やってみたら、想像以上にやばい絵面だわ」


 彼女たちは見たことがないが、彼女たちは見たことがないがっ(強調)!

 巨乳もののAVとか、エロ本にありそうな光景に、乙女たちは羞じらい、黙り込む。


 ……でも。

 こんな悪ふざけができるのも、今日で……。


「あ、貴女たちね。今日が最後だし、怒らないけど……えっちなのは、だめよ?」


 こほんと咳払いして、赤くなりながら。

 担任で寮母の、後條香織子かおるこ先生がやって来た。

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