甘き聖夜ユリスマス④

 乙女ケーキとは。

 百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」に昔から伝わる、クリスマスなど特別な日専用のスペシャルケーキである。

 その内容には様々なバリエーションがあり、一言で説明するのは難しいが、それでもあえて簡潔に表現すれば(中略)女体盛りである。


「えと……リズさんも、私の裸が見たいの?」


 12月24日、クリスマスイブの朝。

 この前、4人での乙女ケーキを提案してきたリズへ、由理ゆーりは確認してみる。


「わ、私も恥ずかしいけど……。ふふっ、好きな子とは、肌で触れ合いたいものでしょう?」


 ちなみに「リトル・ガーデン」の住み込みメイドである2人、今は同じベッドで朝を迎えています。

 パジャマ姿の由理に寄り添うリズは、全裸。

 金髪に青い瞳の童顔に、羞じらいながらの笑顔を浮かべて。白くてたわわなおっぱいを由理に押し当てながら、朝の百合キスをしてくる。


「……ちゅっ♪ んーむっ、ぷぱぁ♪ 美緒奈みおなちゃんと季紗きさにも、裸で、裸の心で向き合ってみるのがいちばん良いんじゃないかって……お姉さん思うの。ちゅぱぁ♪」


「だからって本当に裸にならなくても……くぷ、ちゅ、ちゅ……♪」


 美緒奈や季紗の裸を、自分は見たいだろうか?と、由理は考える。


(やばっ!? 見たいって、思っちゃってる……!)


 そんな自分に気付き、真っ赤になる由理。

 季紗に美緒奈の肌に触れたい。肌を重ねて百合キスしたい。

 そんな感情が、胸にもう芽生えてる。


(お、おかしいかな。女の子同士で、裸を見たいなんて……?)


 今この瞬間にも、全裸なリズさんの乳を揉みつつちゅぱちゅぱ唇を貪りながら、由理は考えるのだった。


(裸で百合キスしたいなんて、私も変になっちゃったのかな?)


「ちゅぱ♪ ずぶぅ、ぬぷぷん♪ んぷぁ、ぐちゅぅ……♪」


 ベッドの中、裸のリズと百合キスしながら。


「んー、むぱ、ちゅぱぁ♪ やんっ、由理ったらぁ♪」


 ※ ※ ※


 冬休みの「リトル・ガーデン」。

 由理たち女子高生メイドも学校がお休みなので、クリスマスイブは午前から営業中。


 混む前に由理は、季紗や美緒奈をチラチラ見ながら、恋人同士である後輩百合メイドたちにそっと聞いてみる。


「ね、ねぇ、宮野さん、早乙女さん? 恋人ってやっぱり、裸で抱き合ったりとか、したいもの?」

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