「東宮季紗」編②
亜麻色めいて光り輝く、明るいロングヘアーに、透き通った夜闇の色の瞳。
丘の上の洋館でメイドさんと暮らす、本物のお嬢様で……純情可憐を絵に描いたような清らかな美少女。
昼休みの生徒会室で、その美少女に、
「んぷっ、ちゅぅ。むぅ……ふぁ。由理……もっとキス……ちゅっ」
「むぅ、ふぅ……ん!? んっ、ん……うぅー♪」
制服姿の季紗に押し倒されそうになりながら、由理は唾液を吸われる。
でも、それ自体はいつものことで。
由理が動揺してるのは。
(す、好きって!? 季紗、どういうこと!?)
寝ぼけ
瞳に愛欲ハートマークを浮かべた彼女は、明らかに目覚めてないのだけど。
「ちゅっ♪ んふ……ちゅぅぅー♪ ちゅぷっ、ちゅぷぅ……♪ ふふ、由理。えっちなキスしよ♪」
百合キスは、全部を伝えてしまうので。
ずぷずぷ唇に入ってくる舌と、喉奥まで流し込まれる甘い唾液……季紗の、女の子の味に、鈍感な由理も、
(ふぇぇ!? き、季紗……私を好きって、もしかしなくても性的な意味で!? 本気なの!?)
「ずちゅ♪ んぢゅ、はぅ♪ や、やぁ♪ 季紗、目を……覚ましてぇ……ん。う、ふぁぁ……っ♪」
昼休みの半分くらい、時間と唾液を季紗に吸われるのだった。
※ ※ ※
「道理で。起きたらお口の中、由理の味でいっぱいだぁ♪って思ったのよね」
やっと正気に戻った季紗、唇をなぞりながら微かに赤くなる。
吸われに吸われた由理の方は、微かじゃなく赤面して息を切らせてる。
「ば、ばかぁ……♪ こ、こんなにキスして、やっと目が覚めるとかっ……」
眠れるお姫様を起こすのは、甘い
お姫様の方から、こんなにちゅぷちゅぷキスされるとは。
(んっ……でも眠ってる季紗、綺麗だったな。ホントにお姫様のよう)
唇の妖しい熱が心臓を弾ませる。
(季紗……覚えてないのかな。そ、その……私のコト、好きとかって言ったの……)
けろりとした表情の季紗を見てると、やっぱりさっきは寝ぼけてたみたい。
でも、あの言葉が本気だったとしたら……?
ドキンッ。
な、なに考えてるのよ私は、と、由理は頭を振った。
「そ、それよりっ。昼休み終わっちゃうじゃない。話が有って呼んだんでしょーが!?」
「わぁ、赤い顔で怒る由理……生ツンデレさんだぁ♪」
「な、何を言って……っ。もぉーっ!」
照れ怒る由理に、季紗は真面目な顔で、寝ぼけて唇奪ったことを謝って。
「ごめんね。キスしたお詫びに……由理の好きなだけキスしていいよ?」
「結局キスなの!?」
でも由理、もじもじして。
「……す、するけどさ」
今度は由理から、形の良い季紗の
ちゅっ……♪と唇を重ねた。
「むふぅ……んぶ。ぬぷっ、ちゅるぅ……♪」
「ちゅ……♪ んはぅ、ふぅ……♪ んむ、んん……♪」
そのまま、生徒会室での百合の饗宴……女子高生2人の秘密のキスは。
次の授業の予鈴が鳴るのも気付かず……書類を取りにきた
※ ※ ※
副会長、廊下を走ってはいけません!
授業にちょっぴり遅刻、教室へ急ぐ季紗と由理。
その途中で、由理が季紗に頼まれたのは。
「私が……生徒会に?」
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