先輩が来た!④ お口直しも、百合キスで。

 百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」のOG会。

 年少のロリメイド美緒奈みおなに、OGのお姉さまからオムレツ口移しの指導です。


「ちゅっ……んんむぅ。ふぅ、ちゅぷぅぅ……♪ ぷはぁ……♪」


 口を離した先輩、美緒奈の唇に着いたケチャップを、ペロッと舐めて拭く。


「ふふ、これをやるとお客様も喜ぶのよ。だから口移しの時、わざとお客様の唇にケチャップを残すようにしてたの♪」


 柔らかくてぷるんとした美緒奈の唇を、舌を出してペロペロするお姉さま。

 百合メイド喫茶に伝わるキスの秘術を、後輩に伝授。


「ぺろぺろ……ぺろぺろ……♪」


 伝統が受け継がれていく、感動的な場面です。


「うぁぁ、美緒奈ドキドキしてきちゃったぜ♪ 先輩、さっすがー♪」

「ふふ、どういたしまして♪」


 百合は一日にして成らず。

 こうして勉強熱心な百合メイド達は、お姉さま方とちゅっちゅちゅっちゅ百合キスに励むのだった。


 これも、OG会の醍醐味……かも。


 ※ ※ ※


「ていうか、口の中が女の人の味でいっぱい……。みんなキスし過ぎよ、もう……」


 唇を押さえて赤くなる由理ゆーり

 料理の準備で厨房に入り、季紗きさと会話。


「ふふ、私もいっぱい吸われちゃった。もう、幸せだよう……♪」


 ロングヘアー清純系メイド季紗、本当に嬉しそう。

 百合キス大好きなのだ。


「でも、年上お姉さまもいいけどぉ……。やっぱり私は、同じくらいの子がいちばん好きかな?」


 可愛く小首を傾げ、季紗が瞳をキラキラさせて。


「と、いうわけで。お口直しに、由理にキスして欲しいな♪」


 言ってることもやってることも桃色だけど、仕草と顔は天使の愛らしさで。

 季紗が眼を閉じ、唇を突き出す。


「もう……。ちょっとだけ、だからね?」


 由理もお口直ししたい気分だったので。

 ちゅっ……♪と短く、軽く。季紗と唇を重ねる。


「んっ……♪」


 ホールの、賑やかなちゅぱちゅぱキス音を聞きながら。

 季紗が微笑んだ。


「ふふ、由理もすっかり、百合キスに抵抗無くなってるよね♪」

「ぐ……!? い、いや、これは、お口直しも仕事のうちであってぇっ……!?」


 自称ノンケの由理が赤くなる。


「照れなくてもいいのに。……ほら、見て?」


 さらさらの髪をかき上げながら、季紗が、店内の様子を見るよう促す。

 厨房からホールを見れば、久しぶりの百合キスに若き日のときめきを思い出し、幸せそうに接吻するOGのお姉さま達。背景に百合の花満開な、清らかな光景。


「みんな、すごく嬉しそう。私達も、大人になってもあんな風に、百合キスしたいよね♪」


 百合キスは、とっても素敵な行為。

 絆を確認し合う、深め合う……神聖な儀式。


「ちゅぅっ。ぷちゅ、ずぷぅ……♪ ぬるっ、ぬぷぅ。んん、ずっぷ、ちゅぱぁ……♪」


 そのつもりで聞けば、えっちな吐息と水音も……天使の奏でるファンファーレに聴こえる……ことも、なくはないのでなかろうか?


「べ、別に私は、キスなんて興味無いけどっ」


 由理も、胸が高鳴ってきて。


「まぁ、嫌いってわけじゃないし。先輩達が夢中なのも分かる気はするし? た、たまには良いのかもね?」


 もじもじ赤くなる由理……また、キス、したくなってきたみたい。

 少し照れながら季紗、


「……もう一回、キス、しよっか♪」

「……う、うん」


 ちゅぷ。ちゅ……、くちゅぅ。

 厨房で抱き合い、由理と季紗、接吻。


 大人のお姉さまも、女子学生も。

 仲良しの証、百合キスは……やっぱり神聖です。

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