秋葉原デート編 間章

 由理と美緒奈が秋葉原でキスしている頃。

 百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」は日曜日で朝から営業、百合なお嬢様で大賑わいです。


「やぁ、んくぅ……っ♪ お嬢様ぁ、そんな、後ろからなんてぇ……♪」

「うわぁ、リズお姉さまの、すっごく柔らかい……」


 金髪縦ロール百合メイドのリズ、立ったまま後ろから客の女の子に抱き付かれ、胸の天国製マシュマロをメイド服越しにむぎゅぅされる。

 ふにゃ、とだらしなく蕩けてしまう唇へ、また別の女の子が前から、


「だめ、こんな可愛いリズさん見てたら私……んんっ、ちゅぅぅ……っ」


 赤い顔でディープキッス、舌まで挿入インサート

 絡み合う舌にリズ、産まれたての小鹿のようにプルプルして、


「ふくぅ、むぅ、んんっ♪ み、皆様、いけませんってばぁ……♪」


 前から後ろから責められて、青い瞳の金髪巨乳メイド、リズは立ったまま、カナリアの歌声を思わす美少女ボイスを上擦らせた。

 ……あくまでこれはスキンシップ。

 このお店ではごく普通の、何でもない乙女達のスキンシップ。


 ただし今日は美緒奈と由理がお休みのため、1人で2人分接客しないといけないのだ。

 だから前と後ろからなのだ……!!


 一方、もう一人。忙しければ忙しいほど輝く、スペックを発揮するのが、


「ふふ、お嬢様がいっぱい♪ 皆様の唇を独り占めですわ……ちゅぅ♪」


 さらさらロングヘアーに上品な顔立ちの、清楚系美少女メイド……東宮ひがしみや季紗きさなのだ。


「右にちゅぅ♪」

「んむぅ……!?」

「左にちゅぅ♪」

「ふぁ、らめぇ、お姉さまぁ……♪」


 八面六臂一騎当千水を得た魚!

 いつも以上にいっぱい少女客と百合キス出来て、季紗の瞳は生きる喜びに輝いている。キラッキラしている!


「はぁ、お口の中が女の子の味でいっぱい♪ 今日は、幸せ満開かもー♪」


 次はお客様全員にコーヒーか紅茶の口移しをして回ろうと、お仕事への情熱に燃える季紗であった。

 なんて素晴らしき勤労意欲、メイドのかがみ


 ※ ※ ※


 カウンターで、お客様へ出すコーヒーを、受け取り待ちしながら、


「もうっ、由理ちゃんも美緒奈ちゃんも、日曜のお休みはずらして欲しいわ」


 リズが唇を尖らせる。マスターがOKを出したとはいえ、バイトリーダーとしては、お店の人員を気にして欲しかったところ。

 そんなリズへ、紫紺の髪と泣きぼくろがセクシーな「リトル・ガーデン」の美人店主マスター真中まなかとおるお姉さんが、熱いコーヒーを淹れながら微笑む。


「ふふ、でもリズと季紗ならどうにかなるだろ? 宮野達もがんばってくれてるしな」


 「リトル・ガーデン」の百合メイドはリズ達常勤の4人だけではない。

 日曜日は非常勤のアルバイトも多くいて、とくに今日は美緒奈の同級生でもある栗色ショートカットの百合メイド、宮野りりなが大活躍だ。


「はーい、次8番テーブルのお嬢様♪ ちっちゃくて可愛いから抱き締めちゃいます。ぎゅぅ♪」


 女の子へハグしたり、ほっぺた擦り擦りしたり、もちろん百合キスしたり。


「ふにゃぁ、女の子大好きぃ……♪」


 由理と美緒奈お休みの穴を埋めるべく、一生懸命働くメイド……美しい、労働の汗。

 好き放題してるとも言う。


「やるね宮野さん! ほらリズさん、私達も負けてられませんよ♪」


 空いたお皿を下げながら、季紗も燃える。そこへ、また別の百合メイドの声が掛かった。


「リズ先輩、3番テーブルのお嬢様、オムレツの口移しご指名でーす」

「はーい、今行きまーす」


 コーヒーの給仕を季紗と交代、パタパタと可愛らしい仕草で、でも窮屈そうに胸を揺らしながら駆けていくリズ。

 その背中と揺れる縦ロールを見送りながら、季紗がマスターへ提案。


「ふふ、せっかくですしマスターも、百合接客しませんか? コーヒー口移ししましょうよ♪」


 ほらこれで忙しいのも解決、と清純な顔でにこり。

 そんなロングヘアー美少女天使の季紗へ、マスターも微笑み返しながら、


「うん、ぜったい嫌だ♪」


 マスターは、なんとノンケなのです。

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