第2話
強矢家に戻り、再び年寄りの入れ歯が抜けたような車庫と向き合う。まだ初日のため、早仕舞いを察したのか、強矢さんは夕食用に使う豚味噌を手際よくタッパーに3枚も重ねてくれた。耳にかけていた鉛筆を外し畏まっていると、玄関の方から「ただいまあ」と言う大声が飛んできた。「うるさくて済みません。うちの次女がいま帰ったみたいで」。強矢さんは、その口調とは裏腹に顔が綻んでいた。だが、母の前に現れた次女を目にした瞬間、前田は思わず漏らす。「あっ凶の女子、さん」。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます