猫ものがたり
@Hatuki
第1話ふたりの猫
高校に入って三ヵ月、それぞれ自分のキャラクターを定着させてきた頃だ。
私のことはとりあえず置いといて
最近、興味を持って観察している猫がいる。
猫と言ってもタダの比喩でしかないのだけど、ふたりを形容するにはぴったりだから私はそう呼んでいるだけなのだ。ふたりと言ったけれど種類は違う猫だ。
1人目、いや一匹目は三毛猫。名前は三宅、女。
人懐こい性格で甘え上手、よく餌付けをされている所を目にする。
ツリ目の大きい瞳はまさに猫と言っていいだろう。髪は後ろは短く前に行くにつれて長い猫っ毛なのかふよふよとたまに耳のように動いているようにも見える。
中性的で整った顔立ち男装も似合うだろう。
男女共に人気があり、人の輪の中によくいる。
もう一匹は黒猫。名前は黒井、女。
一匹狼気質なのか誰かとつるんでいる所は滅多に見ない。よく体調が悪いと言って保健室に行っているが頻度が半端じゃないから多方サボりだ。
髪は黒く中途半端な長さでくせっ毛なのか軽くウェーブが掛かっている。
よく見ると愛嬌のある顔立ちをしているが、全体から醸し出される気怠げオーラのお陰で活かしきれていない。
この2匹になんで興味が湧いたかと言うと、妙に仲がいいのだ。正反対のような2匹だが黒井と三宅は登下校一緒だし、三宅は誰よりも先に黒井に何でも報告、相談しているのだ。黒井も三宅の側にはいる事が多く、その時だけはその愛嬌を振り撒きまるで別人のようなのだ。
クラスのほとんどがその関係に謎を深めてる訳なのだけどその間に入って行ける人はいなかった。かくゆう、私もその1人の為こうやって観察しているのだ。
猫の事は猫にしかわからないのかねー
なんて思いながら今日も2匹を見ながら愛でているのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます